デイサービスへの転職を考えたとき、仕事の探し方にはハローワークや転職サイト、転職エージェントなど、いくつかの方法があります。その中で、「転職エージェントは本当に使う価値があるのだろうか」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
今の職場で働きながら次の職場を探すなら、転職エージェントは有効な選択肢の一つです。求人探しだけでなく、応募先とのやり取りや面接日程の調整などもサポートしてもらえるため、一人で転職活動を抱え込まずに進めやすくなります。
ただし、次の転職先も介護職を考えているのであれば、選ぶなら介護職専門の転職エージェントをおすすめします。介護業界への理解や求人数には違いがあり、総合型の転職エージェントより自分に合った求人を見つけやすいからです。
僕自身、採用担当として多くの応募者を見てきましたが、介護職専門の転職エージェントから紹介される応募者は、現場や仕事への理解を踏まえて紹介されていると感じることが多くありました。
そこでこの記事では、介護職専門の転職エージェントを前提に、仕組みやメリット・デメリット、向いている人と向いていない人について詳しく解説していきます。
デイサービス転職でエージェントを使うべき理由
転職エージェントを利用する理由は、求人を紹介してもらうことだけではありません。働きながら一人で転職活動を進める負担を減らし、職場を選ぶために必要な情報や準備を補ってもらえることにも大きな意味があります。
僕は現場、管理者、採用側まで見てきましたが、転職がうまくいかない原因は、本人の能力よりも、十分な情報や準備がないまま転職を進めてしまうことにある場合が多いと感じています。そこを支えてもらえることが、転職エージェントの強みです。
働きながらの転職活動は時間を確保しにくい
働きながら転職活動を進める場合、まず難しいのが時間を確保することです。普段の仕事をこなしながら求人を探し、応募書類を作成し、面接の日程を調整するのは、思っている以上に負担がかかります。
例えば、デイサービスの仕事は日勤中心ですが、送迎や介助、記録、家族対応など、一日を通してさまざまな業務があります。仕事が終わる頃には、転職活動に使える時間が限られ、気力も残っていないという人は少なくありません。
だからこそ、求人探しや応募先とのやり取り、面接日程の調整などをサポートしてもらえる転職エージェントは、働きながら転職活動を進める人にとって大きな助けになります。
転職エージェントを通すと職場の情報を得やすい
求人票には、給与や勤務時間などの基本的な条件は書かれています。しかし、実際の働き方や職場の雰囲気など、求人票だけでは分かりにくいことも少なくありません。同じ介護職員の募集でも、職場によって働き方は大きく変わります。
例えば、デイサービスごとの運営方針や特色、レクリエーションや機能訓練に力を入れているのか、どのような職場環境なのかといったことは、求人票だけでは判断しにくい部分です。見学や面接でも確認できますが、限られた時間ですべてを把握するのは簡単ではありません。
転職エージェントがすべての情報を把握しているわけではありませんが、事業所とやり取りを重ねる中で、求人票には載っていない情報を把握していることもあります。一人で求人票だけを見て探すよりも、職場を判断するための情報が増えることは、大きなメリットです。
転職エージェントとは?仕組みと基本を理解する
転職エージェントとは、転職したい人と採用したい企業の間に入り、転職活動を支援するサービスです。仕事を紹介してくれるだけと思われがちですが、応募から入社までさまざまなサポートを受けられます。
どのようなサポートがあるのかを知れば、自分に必要な場面でも活用しやすくなります。
転職エージェントの基本的な役割
転職エージェントの役割は、単に求人を紹介することではありません。転職を考えている人の希望条件やこれまでの経験をもとに、その人に合った求人を紹介し、応募から入社まで幅広くサポートしてくれます。
転職活動では、自分に合った職場を見つけることはもちろん大切ですが、採用されるための準備も同じくらい重要です。応募書類の書き方や面接の受け答えなど、事前の準備によって結果が変わることも少なくありません。
そうした部分をサポートしてもらえることは、転職に慣れていない人にとって大きな支えになります。
転職エージェントには非公開求人がある
転職エージェントには、一般の求人サイトやハローワークなどには掲載されていない「非公開求人」があります。これは、転職エージェントを通してのみ紹介される求人のことです。
非公開求人には、応募者をある程度絞って採用したい求人や、重要なポジションの募集、比較的条件の良い求人などが含まれることがあります。
すべてがそうとは限りませんが、一般には公開されていない求人があることは、転職エージェントならではの特徴の一つです。
転職エージェントが実際にやってくれること
転職エージェントは、登録したら求人を何件か紹介して終わりというサービスではありません。実際には、転職活動のさまざまな場面でサポートを受けることができます。
どのようなサポートを受けられるのかを知っておくことで、転職エージェントをより上手に活用できるようになります。ここでは、実際にどのような支援を受けられるのかを一つずつ見ていきましょう。
希望や経験を踏まえて合う求人を提案してくれる
転職エージェントの中心となる役割が求人紹介です。ただ求人を紹介するのではなく、希望条件やこれまでの経験、資格、今後どのように働きたいのかを確認したうえで、その人に合った求人を提案してくれます。
求人紹介では、転職を考えている人の希望だけでなく、企業がどのような人材を求めているのかも踏まえて判断します。双方の条件を確認したうえで紹介してくれるため、自分に合った職場を見つけやすくなります。
また、経験や資格によっては、自分では考えていなかった生活相談員などの選択肢を提案されることもあります。希望する働き方を整理しながら、転職先の可能性を広げられることも大きな利点です。
履歴書・職務経歴書の作成をサポートしてくれる
介護職としての経験や資格があっても、それを書類だけで十分に伝えるのは簡単ではありません。経験を積んでいても、その内容がうまく伝わらず、本来の強みを十分にアピールできていないケースも少なくありません。
例えば、履歴書だけでは経験年数や資格は伝えられても、実際にどのような業務を担当してきたのかまでは分かりにくいです。転職エージェントは、これまでの経験を整理し、企業に伝わりやすい履歴書や職務経歴書を作成できるようサポートしてくれます。
面接対策と企業に合わせたアドバイスを受けられる
面接対策も、転職エージェントが行ってくれる大切な支援の一つです。志望動機や退職理由、これまでの経験など、面接で聞かれやすい内容を事前に整理し、自信を持って話せるようサポートしてくれます。
また、事業所ごとに重視していることや求める人物像を把握している場合は、それに合わせたアドバイスを受けられることもあります。応募先に合わせた準備ができることで、面接にも落ち着いて臨みやすくなります。
面接日程の調整や条件交渉をしてくれる
働きながら転職活動を進める場合、面接日程を調整するだけでも簡単ではありません。今の勤務との兼ね合いを考えながら予定を合わせる必要があり、思うように日程が決まらないこともあります。
転職エージェントは、応募先との間に入って日程を調整してくれるため、自分で何度も連絡を取り合う必要がありません。働きながら転職活動を進める人にとって、このサポートは大きな負担軽減につながります。
また、給料や勤務時間、休日、役職、入職時期など、直接聞きにくい条件についても確認や調整をしてくれます。事前に条件をすり合わせておくことで、お互いの認識の違いを防ぎやすくなります。
入社後も相談や確認をサポートしてくれる
転職エージェントの支援は、内定や入社が決まったら終わりというわけではありません。入社後も相談に乗ってくれたり、必要に応じて企業との間に入って確認してくれたりすることがあります。
新しい職場では、働き始めてから気になることや不安に感じることが出てくる場合もあります。そうしたときに相談できる相手がいることは、特に初めて転職する人にとって心強いものです。
転職は入社が決まれば終わりではなく、新しい職場で安心して働き続けられることが大切です。そのため、入社後もサポートを受けられることは、転職エージェントを利用する意味の一つになります。
転職エージェントを使うメリット
転職エージェントを利用することで、転職活動にはさまざまなメリットが生まれます。ここでは、利用する人にとって具体的に何がメリットになるのかを一つずつ見ていきます。
無料で使える
転職エージェントは、転職を考えている人なら無料で利用できます。採用が決まったときに企業側が転職エージェントへ報酬を支払う仕組みなので、転職する本人が費用を負担する必要はありません。
無料だからといってサポートの内容が限られるわけではなく、これまで紹介してきたさまざまな支援を受けられます。費用をかけずに転職活動を進められることは、転職エージェントを利用する大きなメリットです。
非公開求人や求人票にはない情報を得られる
転職エージェントを利用すると、転職サイトやハローワークには掲載されていない非公開求人も紹介してもらえます。条件の良い求人や、特定の経験・資格を求める求人が含まれていることもあり、転職先の選択肢を広げられます。
また、職場の雰囲気や採用の背景など、求人票だけでは分かりにくい情報を知ったうえで応募先を選べます。条件だけでは判断しにくいところまで確認できるため、自分に合った職場を見つけやすくなります。
自分に合った求人を選び、採用に向けた準備ができる
転職エージェントは、応募者の経験や希望だけでなく、事業所が求めている人材も踏まえて求人を紹介します。そのため、自分の希望だけで職場を選ぶよりも、双方の条件が合う求人に応募しやすくなります。
さらに、履歴書や職務経歴書の書き方、面接で伝える内容についても、応募先に合わせたアドバイスを受けられます。もともと相性の合う求人を選び、その職場に合わせた準備をしたうえで選考に進めることは、採用につながりやすくなる大きなメリットです。
働きながらでも転職活動を進めやすい
働きながらの転職活動が難しいのは、応募先と連絡を取る時間が、現在の仕事と重なりやすいためです。求人探しや履歴書の作成は帰宅後にもできますが、応募先とのやり取りや面接日程の調整は、仕事中に対応しなければならないこともあります。
転職エージェントを利用すれば、自分が働いている間も、応募先との連絡や日程調整を代わりに進めてもらえます。自分では動けない時間にも転職活動が止まらないことが、働きながら利用する大きなメリットです。
面接の改善点を次に活かせる
自分一人で転職活動をしていると、不採用になっても、その理由を知る機会はほとんどありません。そのため、何を改善すればよいのか分からないまま、次の面接を受けることもあります。
転職エージェントを利用すると、企業側からの評価や改善点を教えてもらえることがあります。自分では気付かなかった課題を知り、次の面接や転職活動に活かせることも、転職エージェントを利用するメリットの一つです。
転職エージェントのデメリット
ここまで紹介してきたように、転職エージェントには多くのメリットがあります。しかし、利用する前に知っておきたいデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで利用することが大切です。
自分のペースで進めにくい
転職エージェントは、転職を希望する人に対して求人を紹介し、応募や面接へと進めていくことを目的としたサービスです。そのため、登録すると求人紹介や連絡が比較的頻繁に行われることがあります。
転職を前向きに考えている人には心強いサポートですが、じっくり時間をかけて求人を選びたい人にとっては、その進み方が負担に感じることもあります。
紹介される求人に制限がある
転職エージェントで紹介されるのは、そのエージェントが扱っている求人です。そのため、すべての求人を見られるわけではありません。
中には、ハローワークや自社のホームページなどでのみ募集している事業所もあります。そのため、転職エージェントだけに絞るのではなく、転職サイトやハローワークなども併用しながら求人を探す方が、自分に合った職場を見つけやすくなります。
担当アドバイザーと相性が合わないことがある
介護職専門の転職エージェントであれば、担当アドバイザーは介護業界について一定の知識を持っていることが多く、担当者による知識の差はそれほど大きくありません。それよりも、話しやすさや考え方など、人としての相性の方が影響することがあります。
話がしにくい、考え方が合わないと感じた場合は、そのまま同じ担当者と進める必要はありません。担当変更に対応してもらえることも多いため、遠慮せず相談してみるとよいでしょう。
求人の紹介までに時間がかかることがある
転職サイトのように、気になる求人へすぐ応募できるとは限りません。まずは面談で希望条件やこれまでの経験を確認し、その内容をもとに求人を紹介する流れが一般的です。
そのため、人によっては求人を紹介されるまでに時間がかかることもあります。ただ、そのひと手間があることで、希望や経験に合った求人を紹介しやすくなるという面もあります。
転職エージェントが向いている人
転職エージェントのサポートは、転職経験や現在の状況によって、役立つ場面が変わります。デイサービスへの転職では、特に次のような人がサポートを活かしやすいと思います。
初めて転職する人
初めて転職する場合は、求人の探し方だけでなく、応募までの流れや履歴書・職務経歴書の書き方、面接の準備など、戸惑う場面も少なくありません。
転職エージェントを利用すれば、求人探しから応募、面接、入職までの流れを確認しながら進められます。書類の作成や面接についても相談できるため、転職活動の進め方に慣れていない人には心強い存在です。
異業種から介護職に転職する人
異業種から初めて介護職に転職する場合は、求人票を見ても、仕事内容や職場ごとの違いを判断しにくいことがあります。特にデイサービスは、事業所の規模や特色、業務の分担によって働き方が変わります。
介護職専門の転職エージェントであれば、業界や職場についての情報を聞きながら求人を探せます。未経験でも応募しやすい事業所や、これまでの経験をどのように伝えるかについても相談できるため、異業種から介護職を目指す人には特に向いています。
働きながら転職活動を進める人
働きながら転職活動を進める場合は、求人探しや応募書類の作成、応募先とのやり取りなどを、限られた時間の中で進めなければなりません。仕事と並行して転職活動を続けることは、思っている以上に負担が大きいものです。
転職エージェントを利用すれば、求人探しや応募先との連絡、面接日程の調整などをサポートしてもらえます。転職活動に十分な時間を確保しにくい人ほど、転職エージェントを活用しやすいでしょう。
応募書類の作成や面接に自信がない人
履歴書や職務経歴書で、これまでの経験や資格を採用側へ分かりやすく伝えることは、簡単ではありません。面接でも、自分の経験や強みをうまく伝えられず、不安を感じる人もいると思います。
転職エージェントでは、応募書類の添削や面接対策などのサポートを受けられます。選考に向けた準備を進めやすくなるため、書類作成や面接に苦手意識がある人には、向いている転職方法です。
キャリアアップ・年収アップを狙う人
キャリアアップや年収アップを目指す人にも、転職エージェントは向いています。自分では当たり前だと思っていた経験や資格、これまでの実績が、転職市場では評価される強みになることも少なくありません。
転職エージェントは、そうした経験や強みを整理したうえで、企業へ伝わる形でアピールしてくれます。また、管理者候補や生活相談員など、自分では考えていなかった求人を紹介してもらえることもあり、次のキャリアにつながる可能性を広げられます。
行動に移せず転職が進まない人
転職したい気持ちはあっても、仕事の忙しさや退職への不安などから、なかなか行動に移せない人もいます。転職を考え始めても、そのまま時間だけが過ぎてしまうことは珍しくありません。
転職エージェントでは、面談を通して希望を整理し、求人紹介や応募、面接へと進む流れをサポートしてもらえます。一人では転職活動を進められなかった人でも、具体的な行動につなげやすくなるため、最初の一歩を踏み出したい人にも向いています。
転職エージェントが向いていない人
転職エージェントは便利なサービスですが、すべての人に向いているわけではありません。転職活動の進め方によっては、転職サイトやハローワークなど、別の方法の方が合う場合もあります。
自分のペースで求人を選びたい人
自分の好きな時間に求人を探し、応募するかどうかも時間をかけて決めたい人には、転職エージェントの紹介や連絡のペースが合わないことがあります。その場合は、自分で求人を探せる転職サイトの方が進めやすいでしょう。
直接応募したい職場が決まっている人
応募したい職場が決まっていて、その求人を転職エージェントが取り扱っていない場合は、直接応募やハローワークなど、別の方法で応募する必要があります。
転職するかまだ決めていない人
まだ転職する意思がなく、どのような求人やデイサービスがあるのかを知りたいだけであれば、転職エージェントの利用は控えた方がよいでしょう。
転職エージェントは、転職を具体的に進める人を支援するサービスです。まずは情報を集めながら考えたい段階であれば、自分のタイミングで求人を確認できる転職サイトの方が目的に合っています。
デイサービスの転職ではエージェントを活用する価値がある
ここまで見てきたように、転職エージェントは求人を紹介するだけのサービスではありません。求人紹介をはじめ、応募書類の作成、面接対策、日程調整、条件交渉など、転職活動全体をサポートしてくれます。
特に、働きながら転職活動を進める人や、初めて転職する人、異業種から介護職を目指す人にとっては、一人で進めるよりも心強い存在になるでしょう。
一方で、自分のペースで求人を探したい人や、転職する意思がまだ固まっていない人などは、転職サイトやハローワークなど、ほかの方法が合う場合もあります。
デイサービスの転職では、どの方法を選ぶかによって、得られる情報や受けられるサポートも変わります。これから長く働ける職場を見つけるためにも、自分に合った転職方法を選び、その選択肢の一つとして転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
