今回お話を伺ったのは、立川市の地域密着型通所介護「デイサービス西砂亭」の管理者様です。介護の仕事は未経験から始め、現在は職員とともに日々の事業所運営に携わっています。
利用者さんとの関わり方や職場の雰囲気、採用で大切にしていること、管理者として考えていることなど、普段なかなか聞くことのできない話を伺いました。
まったく知らなかった介護の世界へ
介護の仕事を始めたきっかけを教えてください。
もともと介護の仕事をしようと思っていたわけではないんです。パートではなく、きちんと仕事をしようと思っていた時に、社長から「デイサービスを任せるからやってみないか」と声をかけてもらったのがきっかけでした。
介護についてはまったく知らない状態でした。ただ、昔からおばあちゃん子だったこともあって、高齢者の方と接する仕事ならいいかなと思ったんです。それでやってみることにしました。

利用者さんに「楽しい場所」と思ってもらいたい
デイサービスで大切にしていることは何ですか?
明るく楽しく、一人ひとりに寄り添うことですね。利用者さんには、ここを楽しい場所だと思ってもらいたいです。みんなが笑顔で過ごせるような雰囲気を大切にしています。
スタッフも明るく接してくれていますし、利用者さんと話している時は、スタッフ自身も楽しそうにしているんですよね。そういう姿を見ていると、デイサービスの仕事の楽しさは、利用者さんだけではなく、働いている職員にもあるんじゃないかなと思います。
利用を希望する方への対応で、大切にしていることはありますか?
できることには、なるべく応えたいと思っています。介護度が高いとか、少し手がかかるとか、それだけで最初から難しいと考えるのではなくて、利用したいという方がいるのであれば、まずはどうしたら対応できるかを考えます。
送迎や利用時間なども含めて、一人ひとり事情は違いますから。もちろん何でもできるわけではないですけど、「デイサービス西砂亭」でできることなら、できるだけ柔軟に対応したいと思っています。
採用で大切にしているのは、考え方が合うこと
採用面接では、どんなところを一番重視していますか?
一番重視するのは、私と考え方が合うかどうかですね。私と合わない人は、たぶんここで働いても合わないと思いますし、そのまま働いても不平不満が出てくると思うんです。
今いる職員は、私の考えに共感してくれている人たちだと思っています。私自身もみんなに支えてもらっていますし、そういう職員と一緒に今の事業所をやっているので、これから入ってくる人にも同じように考えてもらえたらいいですね。

未経験でも問題ありませんか?
全く問題ないです。経験があるか、未経験かは問いません。資格についても、特に重視しているわけではないです。
経験者であれば、車椅子やベッドへの移乗など、介護技術の部分は聞いてみたいと思います。ただ、経験者だからといって、それ以外に特別なものを求めているわけではありません。
どんな人がデイサービスの仕事に向いていると思いますか?
おじいちゃん、おばあちゃんが大好きな人ですね。逆に、イライラしやすい人や短気な人は、働いていて苦労しやすいと思います。
「大変だったことは特にない」職員に支えられながら続けてきた
管理者として大変だったことはありますか?
特にこれといって、大変だったとは思っていないんですよね。
人手が足りない時もありましたけど、基本的には「自分がやればいい」と思っていました。そこまで深く考え込むこともなかったですし、追い込まれるようなところまではいかなかったです。
それに、私一人でやっているわけではないので、職員のみんなに協力してもらっているところは大きいですね。みんなも本当によく協力してくれています。

職員の皆さんとは、普段どんな雰囲気で働いていますか?
本当の心の奥底までは私には分からないですけど(笑)、仲良くやってくれていると思います。休みも取りやすいですし、定着率もいい方だと思います。
何か不満があれば聞くようにはしています。ただ、それが定着率につながっているかどうかまでは分からないですけどね。
あとは女性スタッフが多いので、食べるものを用意したり、お菓子を切らさないようにしたりしています。「ここでは痩せたら退職しないといけない」という暗黙の取り決めがある、なんて冗談で言っているくらいです(笑)。
ケアマネジャーに思い出してもらえる事業所でいるために
管理者として、稼働率についてはどのように考えていますか?
会社に対して運営面で協力できることを考えると、稼働率を上げることは大切だと思っています。ただ、営業に行ったからといって、その場ですぐ利用者さんを紹介してもらえるわけではないんですよね。
ケアマネジャーさんも、いつも紹介できる利用者さんを抱えているわけではありません。新しく依頼が来た時に「どこのデイサービスにしようかな」と考えるので、その時にうちを思い出してもらえるかどうかだと思っています。
だから、「今月はこんなことをしました」とか、「こんなこともできますよ」といったことは、普段から伝えるようにしています。今利用していただいているケアマネジャーさんからの評判も、いい方だと思っています。
利用者さんの満足度も、そうした紹介につながっていきますか?
もちろん、利用者さんに満足してもらうことは大切です。ただ、稼働率に直結するという意味では、ケアマネジャーさんに「ここなら安心してお願いできる」と思ってもらえることが大きいと思っています。
利用者さんが「デイサービスに行きたくない」となれば、ご家族も大変ですし、ケアマネジャーさんも困りますよね。反対に、何の不満もなく楽しく通ってもらえていれば、ご家族の負担も減りますし、ケアマネジャーさんにも安心してもらえる。それがまた次の紹介につながっていくんだと思います。
これからデイサービスで働こうと考えている方へ
これからデイサービスで働こうと考えている未経験の方には、どんなことを伝えたいですか?
大きい施設と、うちのような小さい施設では、求められるものも違うと思うんです。大きい施設では資格だったり、介護のスキルだったりを求められることもあると思います。
でも、うちのような小さい事業所では、それよりも利用者さんの気持ちにどれだけ寄り添えるかとか、どれだけ楽しく仕事ができるかとか、周りといい雰囲気で働けるかということの方が大切なんじゃないかなと思っています。
未経験だからといって、特別に心配する必要はないと思います。経験や資格があることよりも、おじいちゃん、おばあちゃんが好きで、利用者さんと一緒に楽しく過ごせることの方が、うちでは大切ですね。

経験のある介護職の方に対しては、どうでしょうか?
経験があること自体はもちろん悪いことではないですし、「こういうやり方もあるよ」「こっちの方がスムーズにできるよ」と教えてもらえるのはありがたいです。
ただ、今まで働いていたところのやり方を、そのまま押し付けてほしくはないですね。事業所によってやり方も違いますし、今ここで働いている職員が一緒につくってきたやり方もありますから。
経験があるからこそ気づけることは教えてもらいながら、まずは今いる職員と一緒にやっていこうと思ってもらえたらいいなと思います。
村田さんが管理者を務める「デイサービス西砂亭」については、こちらの記事で紹介しています。

インタビューを終えて
今回お話を伺って印象に残ったのは、村田さんが管理者として必要以上に肩ひじを張らず、とても自然体でデイサービスに関わっている姿でした。
採用では「自分と考え方が合う人」を大切にしていると話していましたが、自分の考えを職員に押し付けているという印象はありません。むしろ、今いる職員に支えられながら、みんなで今の事業所をつくってきたという感覚の方が強いように感じました。
「管理者として大変だったことは特にない」という言葉も印象的でした。人手が足りなければ自分が動き、目の前のことを一つずつこなしながら、利用者さんに楽しく過ごしてもらうことや、職員が気持ちよく働けることを大切にしてきたのだと思います。
管理者の仕事には大変なことも多いですが、村田さんはそれを必要以上に大きく捉えるのではなく、自然体のまま事業所と向き合ってきたように見えました。そうした姿勢が職員の雰囲気にもつながり、利用者さんやご家族、ケアマネジャーから選ばれる事業所につながっているのかもしれません。
誰か一人が無理をしてつくるのではなく、職員それぞれが自分らしく働き、利用者さんの笑顔を大切にする。その積み重ねで今のデイサービス西砂亭ができているのだと感じたインタビューでした。
