デイサービス以外の介護サービスとは?種類と仕事内容の違いも分かる【元管理者が現場目線で解説】

デイサービス介護職人デイサービス以外の介護サービス

デイサービスで働こうと思ったときに、「介護サービスには、デイサービス以外にどんなものがあるのか」と考える方も多いと思います。

介護の仕事と一口に言っても、利用者の自宅へ訪問する仕事、施設に通ってもらうサービス、入所施設で生活を支える仕事など、働く場所によって仕事内容は大きく変わります。

デイサービスは、あくまで介護サービスの一つです。この記事では、デイサービス以外の介護サービスにはどのようなものがあるのかを、大まかに見ていきます。細かい制度の話を深く掘り下げるというより、介護サービス全体を軽く知るための記事として読んでください。

目次

デイサービス以外にもある介護サービスの全体像

介護サービスは一つではなく、制度の中で複数のサービスに分かれています。

全体を知らないまま働き始めると、「介護の仕事」と思っていたものが、実際にはサービスごとにかなり違うことに気づく場面があります。まずは、介護サービスがどのように分かれているのかを見ていきます。

介護保険サービスは「介護給付」と「予防給付」に分かれる

介護保険で受けられるサービスは、大きく分けると「介護給付」と「予防給付」に分かれます。

介護給付は、要介護1から要介護5の方が利用するサービスです。予防給付は、要支援1・要支援2の方が利用するサービスで、介護予防の意味合いが強くなります。

この記事では、デイサービス以外にどのような介護サービスがあるのかを知るために、介護職員が働く場面の多いサービスを中心に見ていきます。

介護サービスには都道府県系と市町村系がある

介護サービスは、どこが指定しているかによっても分かれています。都道府県や政令市などが指定するサービスと、市町村が指定するサービスです。

都道府県などが指定するサービスには、居宅介護サービス、施設サービスなどがあります。比較的大きな枠組みのサービスが多く、介護サービス全体の中心になるものです。

市町村が指定するサービスには、地域密着型介護サービス、居宅介護支援などがあります。地域の中で生活を続けるための、小規模なサービスが多いのが特徴です。

参考:介護保険制度をめぐる状況について(第116回社会保障審議会介護保険部会)

居宅介護サービスの種類と特徴

在宅で生活している方を支えるのが、居宅介護サービスです。自宅で暮らしながら介護を受けるためのサービスで、訪問して支援するもの、施設に通って利用するもの、短期間だけ施設を利用するものなどがあります。

訪問系サービス

訪問系サービスは、利用者の自宅に行って支援を行うサービスです。

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 訪問看護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導

訪問介護は、いわゆるヘルパーの仕事です。食事、排泄、入浴などの身体介護に加えて、掃除、洗濯、調理などの生活援助も行います。

訪問看護は、看護師が自宅を訪問し、健康状態の確認や医療的なケアを行うサービスです。訪問入浴介護は、自宅での入浴が難しい方に対して、専用の浴槽を持ち込んで入浴を支援します。

訪問リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士などが自宅を訪問し、生活の中で必要な動作の練習や機能回復を支援します。居宅療養管理指導は、医師や歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、療養上の管理や助言を行うサービスです。

通所系サービス

通所系サービスは、利用者が施設に通って受けるサービスです。

  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)

デイサービスは、食事、入浴、排泄介助、体操、レクリエーション、送迎などを行うサービスです。自宅で生活している方が日中だけ施設に通い、生活のリズムを保ちながら、家族の介護負担を軽くする役割もあります。

デイケアは、正式には通所リハビリテーションです。デイサービスと同じように施設へ通いますが、中心になるのはリハビリです。医師の指示のもと、理学療法士や作業療法士などが関わります。

短期入所サービス

短期入所サービスは、短期間だけ施設に泊まって利用するサービスです。

  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

自宅で介護している家族が休みたいとき、冠婚葬祭や入院などで一時的に介護が難しいとき、本人の生活を一時的に整えたいときなどに利用されます。一般的にはショートステイと呼ばれるサービスです。

短期入所生活介護は、特別養護老人ホームなどの福祉施設で行われるサービスで、短期入所療養介護は、介護老人保健施設や医療系の施設で行われるサービスです。

その他の在宅生活を支えるサービス

訪問、通所、短期入所以外にも、在宅生活を支えるサービスがあります。

  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売
  • 特定施設入居者生活介護

福祉用具貸与や特定福祉用具販売は、車いす、介護ベッド、歩行器、手すりなどを利用することで、自宅での生活をサポートするサービスです。

特定施設入居者生活介護は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに入居している方に対して、介護サービスを提供するものです。

介護は、ひとつのサービスだけで成り立つわけではありません。訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具などが組み合わさって、在宅生活を支えています。

施設サービスの種類と特徴

自宅での生活が難しくなった場合に利用するのが、施設サービスです。施設サービスでは、利用者が施設に入所し、日常生活全体にわたる支援を受けます。

介護老人福祉施設の役割と特徴

介護老人福祉施設は、特養(特別養護老人ホーム)と呼ばれることが多い施設です。原則として要介護3以上の方が入所する施設で、自宅での生活が難しくなった方が長く生活する場所になります。

食事、入浴、排泄などの日常生活の介助を受けながら、24時間365日体制で生活を支える施設です。いわゆる「終の住処」と言われることもあり、看取りまで関わる施設も多くあります。

特養は、利用料金が比較的抑えられていることもあり、入所を希望する方が多い施設です。介護職として働く場合は、生活介助が中心になり、夜勤もあります。

介護老人保健施設の役割と特徴

介護老人保健施設は、老健と呼ばれる施設です。病院を退院したあと、すぐに自宅へ戻ることが難しい方が、在宅復帰を目指して利用します。

リハビリや医療との関わりが強く、医師、看護師、リハビリ職、介護職などが連携しながら、自宅へ戻るための支援を行います。一定期間ごとに状態を確認し、今後の生活の場を考えていく点も老健の特徴です。

介護職の仕事としては、食事、入浴、排泄などの生活支援を行いながら、リハビリ職や看護師と関わる場面が多くなります。夜勤もあり、身体介助もありますが、医療職が近くにいる安心感はあります。

介護医療院の役割と特徴

介護医療院は、介護と医療の両方を必要とする方が入所する施設です。

日常的な介護に加えて、医療的なケアや看取りにも対応します。長期的な療養が必要な方に対して、生活の場と医療の支援を合わせて提供する施設です。

介護職として働く場合は、医療職と関わる場面が多く、利用者の体調変化にも注意が必要になります。

地域密着型介護サービスの種類と特徴

地域密着型介護サービスは、住み慣れた地域で生活を続けられるように支えることを目的としており、利用者は原則としてその市町村に住んでいる方になります。小規模で身近なサービスが多いのが特徴です。

訪問系サービス

地域密着型の訪問系サービスには、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や、夜間対応型訪問介護などがあります。

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護職員や看護職員が定期的に訪問し、必要に応じて随時対応も行うサービスです。

夜間対応型訪問介護は、夜間の時間帯に訪問介護を行うサービスです。夜間の排泄介助や緊急時の対応など、自宅で生活する方を夜間も支える役割があります。

通所系サービス

地域密着型の通所系サービスには、地域密着型通所介護や認知症対応型通所介護があります。

  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護

地域密着型通所介護は、定員18人以下の小規模なデイサービスです。通常規模のデイサービスよりも人数が少なく、利用者との距離が近くなりやすいサービスです。

認知症対応型通所介護は、認知症の方を対象としたデイサービスです。認知症の症状に合わせた関わりや、落ち着いて過ごせる環境づくりが大切になります。

入所系サービス

地域密着型の入所系サービスには、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護などがあります。

  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

認知症対応型共同生活介護は、認知症の方が少人数で共同生活を送りながら、食事、掃除、洗濯などを職員と一緒に行い、できることを続けながら生活します。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員29人以下の小規模な特別養護老人ホームです。地域の中で、少人数の入所者に対して介護を行います。

複合型サービス

地域密着型介護サービスには、訪問、通所、短期入所を組み合わせて使えるサービスもあります。

  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、デイサービスのように通うサービス、ホームヘルプのような訪問、ショートステイのような宿泊を、一つの事業所で組み合わせて利用できます。

看護小規模多機能型居宅介護は、小規模多機能型居宅介護に訪問看護の機能が加わったサービスです。医療的な支援が必要な方でも、在宅生活を続けやすくなります。

一つの事業所で複数のサービスを使えるため、利用者の状態や家族の状況に合わせて対応しやすいのが特徴です。

居宅介護支援とケアマネジャーの役割

居宅介護支援は、介護サービスを利用する際の窓口となるサービスです。ケアマネジャーが利用者の状態や生活環境、家族の介護状況などを確認し、ケアプランを作成します。

ケアプランには、利用する介護サービスの内容や回数などがまとめられます。複数のサービスをその人の生活に合わせて考えるため、ケアマネジャーは介護保険サービスを利用するうえで重要な存在です。

介護職員として働く場合も、ケアマネジャーとの関わりは少なくありません。デイサービスでも、利用者の体調や生活の変化をケアマネジャーへ伝える場面があります。

デイサービスの仕事内容と働き方

ここからは、僕の介護経験15年の中から、実際に働く視点で見たときの話になります。

介護サービスにはさまざまな種類がありますが、デイサービスはその中でも特徴がはっきりしています。入所施設とは違い、日中だけ利用者を受け入れ、自宅での生活を続けるための支援を行うサービスです。

デイサービスの基本業務

デイサービスの一日は、送迎から始まり、送迎で終わります。

朝、利用者の自宅まで迎えに行き、施設に到着したら健康状態を確認します。その後、入浴、食事、口腔ケア、体操、レクリエーション、機能訓練などを行い、夕方に自宅まで送り届けます。

仕事内容だけを見ると分かりやすく感じるかもしれませんが、実際には利用者の体調、家族との連絡、送迎時間、入浴の順番、レクリエーションの進行など、同時に気を配ることが多い仕事です。

利用者の特徴と介護負担

デイサービスの利用者は、基本的に自宅で生活している方です。

そのため、特養や老健と比べると介護度が低い方も多く、身体的な負担は比較的軽いと感じる場面が多いです。実際に現場でも「身体介助が中心」というよりは「活動支援が中心」という印象が強くなります。

ただし、介護度が低いから楽というわけではありません。転倒しないように見守ること、入浴時に安全を確認すること、認知症の方への声かけを工夫することなど、デイサービスならではの注意点があります。

職員配置と役割分担

デイサービスでは、介護職員のほかに、看護職員、生活相談員、機能訓練指導員などが働いています。

  • 介護職員:送迎、入浴介助、食事介助、排泄介助、レクリエーション、記録など。
  • 看護職員:健康状態の確認や医療的な判断など。
  • 生活相談員:利用者や家族、ケアマネジャーとの連絡調整など。
  • 機能訓練指導員:利用者の身体機能を維持するための訓練など。
  • 管理者:事業所の運営に関わること全体に責任を持つ存在。

事業所の規模によっては、職員が複数の役割を兼ねることもあります。

生活リズムと働きやすさの特徴

デイサービスは、日勤帯が中心の仕事です。基本的に夜勤はなく、朝から夕方までの勤務になります。事業所によっては日曜休みや年末年始休みがあるため、入所施設と比べると生活リズムを保ちやすい働き方です。

未経験から介護職を始める場合でも、デイサービスは入りやすい職場の一つです。ただし、送迎やレクリエーション、利用者との会話が多い仕事でもあるため、人と関わることが苦手な方には負担になる場合もあります。

特養と老健の仕事内容と現場の違い

デイサービス以外で、介護職が働く場所として比較されやすいのが、特養と老健です。

どちらも入所型の施設ですが、役割は同じではありません。デイサービスと比べると、夜勤があり、身体介助の量も多くなりやすい仕事です。

特養の仕事

特養は、利用者の生活そのものを支える施設です。食事介助、入浴介助、移乗介助などを中心に、日常生活に必要な介助を24時間体制で行います。

夜勤では、排泄介助、体位交換、巡回、急変時の対応なども行います。職員数が少ない時間帯に対応するため、責任も大きくなります。

特養で働く特徴

特養では、身体的な負担が大きくなりやすいです。排泄介助の回数が多く、移乗介助や入浴介助もあります。利用者の介護度が高いため、一人ひとりの介助に時間と体力が必要になります。

また、看取りに関わることもあります。利用者の生活を長く支え、最期の時間にも関わるため、介護職として深く関われる一方で、気持ちの負担を感じる場面もあります。

老健の仕事

老健は、在宅復帰を目指す施設です。病院を退院したあと、すぐに自宅へ戻ることが難しい方に対して、リハビリや生活支援を行います。

介護職は、食事、入浴、排泄、移乗などの介助を行いながら、リハビリ職や看護師と連携します。利用者が自宅に戻ることを目指しているため、できる動作をなるべく維持しながら支援することが大切になります。

老健で働く特徴

老健は、医師や看護師、リハビリ職がいるため、医療的な相談をしやすい環境です。夜間の急変時でも、医療職と連携しながら対応できる体制があります。介護職だけで判断する場面が少なく、安心感を持ちやすい部分もあります。

一方で、夜勤はあり、身体介助もあります。利用者の入退所があるため、持ち物確認や情報共有、状態の変化への対応も必要です。

介護サービスごとの違いをどう見ればよいか

ここまで、介護職の中でも従業者数の多い、デイサービスと特養、老健を見てきましたが、同じ介護の仕事でも、働く場所によって中身は異なります。利用者の状態、仕事内容、勤務時間、職員に求められる役割はかなり違います。

参考:厚生労働省 介護サービス施設・事業所調査 従業者数の状況

デイサービスは通いのサービス

デイサービスは、自宅で生活している利用者が日中だけ通うサービスです。送迎、入浴、食事、レクリエーション、体操などを通して、利用者の在宅生活を支えます。

介護の仕事でありながら、利用者が「また行きたい」と思える時間をつくることも大切になるため、レクリエーションや活動支援の比重が大きい仕事です。

特養は生活の場を支える施設

特養は、在宅生活が難しくなった方が入所し、生活全体の支援を受ける施設です。24時間365日体制で介護を行い、食事、入浴、排泄などの日常生活を支えます。

介護度の高い利用者が多いため、特養では身体介助を中心に、利用者の生活そのものを支える仕事になります。

老健は在宅復帰を目指す施設

老健は、病院退院後などに、自宅へ戻ることを目指して利用する施設です。リハビリや医療職との連携が大きな特徴で、介護職も生活支援を行いながら、在宅復帰に向けた支援に関わります。

介護職の仕事としては身体介助もありますが、老健では自宅へ戻るためのリハビリや生活動作を支える視点が大切になります。

仕事内容は同じ「介護」でも中身は違う

介護職といっても、働く場所によって仕事内容は大きく変わります。

デイサービスでは日中の活動支援や在宅生活の支援、特養では身体介助を中心に生活全体の支援、老健では在宅復帰に向けた支援が中心になります。

どれが良いという話ではありません。大切なのは、自分がどのような働き方をしたいのか、どのような介護に関わりたいのかを考えることです。

デイサービス以外の介護サービスを知っておくと、介護の仕事全体が見えやすくなります。そのうえでデイサービスを選ぶのか、特養や老健など別の職場を考えるのかを判断しやすくなります。

目次