デイサービス(通所介護)とは?サービス内容・料金・事業所ごとの違い【15年の現場経験者が解説】

デイサービス介護職人通所介護とは

デイサービスは、高齢者が自宅から通い、食事や入浴、機能訓練などのサービスを受けながら日中を過ごす場所です。介護を必要とする高齢者の生活を支えるとともに、家族の介護負担を軽減する役割も担っています。

デイサービスには、制度上、通所介護・地域密着型通所介護・療養通所介護・認知症対応型通所介護の4種類があります。このうち、一般的にデイサービスとして知られているのは、通所介護と地域密着型通所介護です。

この記事では、この2つを中心に、デイサービスの仕組みやサービス内容、利用料金、職員の仕事内容、事業所ごとの違いなど、基本的な知識から実際の現場の様子まで分かりやすく解説していきます。

参考:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護

目次

デイサービス(通所介護)とは何か

デイサービスと聞くと、高齢者が日中に通って介護を受ける場所を思い浮かべる人が多いと思います。そのイメージは間違っていません。ただ、普段何気なく使っている「デイサービス」という言葉には、実は2つの意味があります。

デイサービス介護職人_デイサービスには2つの意味がある

デイサービスという言葉が持つ2つの意味

デイサービスという言葉には、次の2つの意味があります。

1つ目は、介護サービスの名称としての意味です。 介護保険制度では「通所介護」などの正式名称が使われていますが、一般的には「デイサービス」と呼ばれています。

2つ目は、介護サービスを提供する事業所としての意味です。 例えば、「デイサービスで働く」「デイサービスを選ぶ」といった場合は、サービスの種類ではなく、実際に働いたり利用したりする事業所を指しています。

このように、デイサービスという言葉は、介護サービスを指すこともあれば、サービスを提供する場所を指すこともあります。厳密に使い分けられていませんが、この違いを知っておくと、これからの説明も理解しやすくなると思います。

デイサービスの種類

介護サービスとしてのデイサービスには、制度上4つの種類があります。その中でも、一般的によく知られているのが、通所介護と地域密着型通所介護です。サービス内容はよく似ていますが、制度上はいくつか違いがあります。

通所介護は都道府県や政令市、中核市などが指定し、地域密着型通所介護は市区町村が指定します。ただ、実際のサービス内容としてはかなり近く、分かりやすい違いは利用定員が19人以上か18人以下かという点です。

この記事では通所介護と地域密着型通所介護をまとめて、一般的なデイサービスとして説明していきます。ほかの2種類については性質が異なるため、それぞれの特徴や違いを詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

デイサービスの基本的な役割

デイサービスの基本的な役割は、自宅で暮らしている高齢者が日中に必要な支援を受けながら、生活リズムを保ち、状態の維持につなげることです。家にこもりがちになりやすい人にとっては、外に出るきっかけになる意味も大きいです。

利用者本人だけでなく、家族にとっても重要なサービスです。日中の介護負担が軽くなることで、家族が少し休める時間を持てるからです。現場で見ていても、デイサービスは本人と家族の両方を支えるサービスだと感じます。

今は、安全に一日を過ごすだけでなく、自立支援や重度化防止も重視されています。昔のイメージのまま「お風呂と食事とレクリエーションの場所」とだけ捉えると、今のデイサービスの役割を十分に理解しにくくなります。

デイサービスで受けられるサービス内容

デイサービスは、自宅から事業所に通い、日中の時間を過ごす介護サービスです。一般的には朝から夕方まで利用し、その間に食事や入浴、レクリエーション、機能訓練など、利用者の状態や目的に合わせたさまざまなサービスを受けられます。

デイサービス介護職人_受けられるサービス

デイサービスの基本的な一日の流れ

デイサービスの一日は、自宅へのお迎えから始まります。事業所の送迎車で利用者を迎えに行き、帰りも自宅まで送り届けるのが基本です。送迎もサービスの一部であり、自分で通うことが難しい人でも利用しやすい仕組みになっています。

事業所に到着すると、入浴や食事、レクリエーション、体操や機能訓練などを行いながら一日を過ごします。利用者によって必要な介助や参加する活動は異なり、それぞれの身体の状態や希望に合わせてサービスが提供されます。

一日の活動が終わると、送迎車で自宅まで送り届けます。こうして日中の時間をデイサービスで過ごすことで、利用者は必要な介護や機能訓練を受けられ、家族も介護から離れて休息や自分の時間を持つことができます。

デイサービスで受けられる主なサービス

デイサービスでは、食事や水分補給などの生活支援、入浴や移動などの身体介護、レクリエーションを通じた活動参加、体操や機能訓練による身体機能の維持など、日中の生活を支えるさまざまなサービスを提供しています。

  • 生活支援:食事や水分補給、身の回りのことを安心して行えるように支える
  • 身体介護:入浴や移動など、身体に直接関わる介助を行う
  • 活動参加:レクリエーションや交流を通して、日中の楽しみや人との関わりを作る
  • 機能維持の支援:体操や日常動作を通して、今できることをできるだけ保てるように支える

提供するサービスは事業所によって異なり、入浴やレクリエーション、機能訓練などへの取り組み方にも特色があります。同じデイサービスでも、どのような活動を行っているかは事業所によって違います。

また、すべての利用者が同じサービスを受けるわけではありません。例えば入浴は、本人の希望や必要性に応じて行われます。利用者の身体の状態や生活状況によって、必要な介助や参加する活動も変わってきます。

利用対象者・利用時間・料金の考え方

デイサービスを利用するには、介護保険の認定や利用時間、料金の仕組みを知っておく必要があります。特に料金は、介護度やサービス内容によって違いがあるため、誰が利用できるのかという基本的なところから順番に見ていきましょう。

デイサービスを利用できる対象者

この記事で扱う通所介護と地域密着型通所介護は、基本的に要介護1〜5の認定を受けている人が対象です。ただし、地域密着型通所介護は、原則として事業所が所在する市区町村に住んでいる人に利用が限られます。

要支援1・2の人もデイサービスを利用できますが、こちらは介護予防を目的とした別の制度で提供されます。要介護の人が利用する通所介護とは、制度上の扱いが異なります。

要支援の人が利用する通所型サービスは、自治体が実施する総合事業に含まれます。利用回数や料金の設定なども自治体によって異なるため、具体的な利用条件は住んでいる市区町村で確認する必要があります。

デイサービス介護職人_要介護区分

利用時間と延長サービスの考え方

デイサービスの利用時間は、基本的に3時間を超えるものから9時間まで、1時間ごとの区分が設けられています。 また、利用者の状態などによっては、2時間以上3時間未満という短い時間で利用する場合もあります。

事業所によっては延長サービスを行っており、10時間や11時間以上の利用に対応しているところもあります。

延長サービスには、利用時間や算定条件に応じて延長加算が適用され、基本料金に上乗せされる場合があります。 ただし、延長サービスの実施や対応できる時間は事業所によって異なります。

デイサービスの利用料金とその仕組み

デイサービスの利用料金は、介護保険が適用される基本料金と加算、食事代やおやつ代などの実費を合わせた金額です。 食事やおやつの料金は事業所によって異なり、介護保険の自己負担分とは別に支払います。

要介護の人が利用する場合、介護保険の基本料金は介護度、事業所規模、利用時間の区分、地域によって変わります。 そのため、金額には幅がありますが、7〜8時間程度利用した場合、基本料金の1割負担は1日700〜1,400円くらいが目安です(2026年10月時点)。

さらに、入浴介助や機能訓練などの加算がある場合は、基本料金に上乗せされます。 加算は提供されるサービスや算定条件によって異なるため、実際の利用料金は基本料金だけでなく、加算や食事代なども含めて確認する必要があります。

デイサービス介護職人_介護保険の基本料金は規模などで料金が代わる

デイサービスの加算とは?種類とサービス内容

デイサービスの利用料金には、基本料金とは別に加算がつく場合があります。加算とは、入浴介助や機能訓練、職員の配置体制など、一定の条件を満たしたサービスや取り組みに対して、追加される料金のことです。

加算にはさまざまな種類があり、利用者が受けるサービスや事業所の体制によっても異なります。ここでは、デイサービスで設けられている主な加算と、その仕組みについて説明していきます。

デイサービス介護職人_加算とは

今のデイサービスで重視されている取り組み

国は介護保険制度を通じて、自立支援と重度化防止を推進しています。その一環として、機能訓練や口腔ケア、栄養管理などの取り組みを後押しするため、介護報酬にさまざまな加算を設けています。

こうした方針を受け、デイサービスでも食事や入浴、レクリエーションだけでなく、身体機能の維持・向上などに関する加算を取り入れ、利用者の状態に合わせてさまざまな支援を行っています。

デイサービスの主な加算一覧

デイサービスには、入浴や機能訓練などのサービス内容から、職員の配置や専門職との連携まで、さまざまな加算があります。加算の種類や内容は介護報酬の改定によって変わるため、ここでは2026年度時点の主な加算を紹介します。

加算名主な内容
生活相談員配置等加算共生型サービスでの生活相談員の配置や地域貢献活動
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算対象地域の利用者への通常の実施地域を越えたサービス提供
入浴介助加算安全な入浴介助や自宅での入浴自立に向けた取り組み
中重度者ケア体制加算中重度の利用者を受け入れるための手厚い職員体制
生活機能向上連携加算外部のリハビリ専門職などと連携した生活機能の向上
個別機能訓練加算利用者に合わせた機能訓練の計画と実施
ADL維持等加算日常生活動作の維持・改善の成果を評価
認知症加算認知症の利用者に対応するための専門的なケア体制
若年性認知症利用者受入加算若年性認知症の利用者に合わせた個別の対応
栄養アセスメント加算利用者の栄養状態の確認と評価
栄養改善加算低栄養状態の改善に向けた個別の栄養管理
口腔・栄養スクリーニング加算口腔や栄養状態の定期的な確認と情報提供
口腔機能向上加算食べる・飲み込む機能などの維持・改善
科学的介護推進体制加算LIFEへの情報提出と、その情報を活用したケアの改善
サービス提供体制強化加算介護福祉士の割合や職員の勤続状況などを評価
介護職員等処遇改善加算介護職員などの待遇改善を目的とした加算

加算の仕組みと事業所による違い

デイサービスの加算で身近なものの一つが、入浴介助加算です。自宅での入浴が難しく、デイサービスでの入浴を希望する人もいます。このように、利用者が希望することで、基本料金に上乗せされる加算があります。

一方、職員の配置体制や処遇改善など、事業所が一定の条件を満たすことで算定されるものもあります。すべての加算を利用者が選べるわけではなく、事業所の体制によって料金に含まれる加算もあります。

取得している加算は事業所によって違いますが、現場では自立支援と、利用者が楽しく通えることの両方を大切にしています。レクリエーションの楽しさを機能訓練にも取り入れるなど、それぞれの事業所が工夫しながら、特色を活かしたデイサービスを目指しています。

デイサービスで働く職種とそれぞれの役割

デイサービスでは、介護職員だけでなく、看護職員、機能訓練指導員、生活相談員、管理者など、さまざまな職種が働いています。それぞれの職員が異なる役割を担いながら、利用者に必要なサービスを提供しています。

デイサービスの仕事は、利用者への介護や健康管理だけではありません。事業所の運営や、家族・ケアマネージャーとの連絡、サービス利用に関する手続きなどもあります。ここでは、それぞれの職種がどのような仕事をしているのかを紹介します。

デイサービス介護職人_各職種で支えている

利用者のケアを中心に担う職種

利用者のケアを中心に担うのは、介護職員、看護職員、機能訓練指導員です。介助や健康管理、機能訓練など、それぞれの専門性を活かしながら利用者に直接関わる仕事をしています。

・介護職員:入浴介助、排泄介助、食事介助、レクリエーション、送迎時の対応など、日々の生活に近い部分を支える
・看護職員:バイタルチェックや体調確認などを通して、利用者が安全に過ごせるよう健康面を見る
・機能訓練指導員:歩行や立ち上がり、日常動作の維持などに関わり、本人ができることをできるだけ保てるように支援する

これらの職種は、担当する仕事が異なっていても、利用者の状態や日々の変化について情報を共有しています。介護職員だけで対応するのではなく、看護職員や機能訓練指導員とも連携しながら、一人ひとりに必要なケアを行っています。

事業所運営とサービス調整を担う職種

管理者と生活相談員は、デイサービスの運営やサービス利用に関する業務を担当しています。管理者は事業所全体の運営を行い、生活相談員は利用者や家族への対応、ケアマネージャーとの連絡などを担います。

・管理者:事業所全体の運営や職員体制、サービスの流れを見ながら、デイサービスが安定して運営できるように関わる
・生活相談員:利用者本人や家族からの相談を受けたり、ケアマネージャーと連絡を取りながら、利用に関する調整を行ったりする

管理者と生活相談員は、現場の職員と情報を共有しながら、それぞれの業務を進めています。利用者や家族からの要望、職員の勤務状況などを把握し、日々の事業所運営やサービスの提供に取り組んでいます。

デイサービスは事業所ごとに特色が違う

デイサービスは、事業所によって特色があります。一般的にイメージされるのは、入浴や食事、レクリエーションなどを幅広く提供するデイサービスですが、中には特定のサービスに力を入れている事業所もあります。

デイサービス介護職人_特色が違う

デイサービスは幅広い支援に対応している

一般的なデイサービスでは、朝の送迎から始まり、入浴、食事、レクリエーションなどを行い、夕方には自宅まで送り届けます。日常生活に必要な介助から日中の活動まで、さまざまなサービスを提供しています。

こうした基本的なサービスを提供しながら、利用者の状態や希望に合わせて機能訓練なども取り入れています。ただし、同じような一日の流れであっても、事業所によってサービスの内容や取り組み方には違いがあります。

さまざまな特色を持つデイサービスもある

デイサービスの中には、レクリエーションを充実させている事業所や、機能訓練を重視している事業所、入浴サービスに力を入れている事業所などがあります。それぞれが特色を持ち、利用者のニーズに合わせたサービスを提供しています。

こうした違いは、通所介護や地域密着型通所介護といった制度上の種類ではなく、事業所ごとの運営方針やサービスの特徴によるものです。同じ通所介護であっても、利用者の過ごし方や受けられるサービスには違いがあります。

また、事業所が取得している加算から、その特色が見えてくることもあります。例えば、個別機能訓練加算や延長加算などは、機能訓練や利用時間への対応を知る手がかりになります。事業所を選ぶ際には、加算内容も参考にするとよいでしょう。

デイサービスを選ぶときに見るべきポイント

デイサービスを選ぶときは、事業所ごとの特色を理解し、自分に合ったサービスや環境を選ぶことが大切です。利用する人と働く人では重視するポイントが異なるため、それぞれの立場から選び方を紹介します。

デイサービス介護職人_特色で選ぶ

利用者・家族は今困っていることから選ぶ

共働きなどで日中に家を空ける時間が長い家庭では、送迎時間や延長対応が重要になります。通常の利用時間では生活に合わない場合もあるため、夕方の送りの時間や延長サービスに対応しているかを確認しておくと安心です。

歩行が不安定で転倒が心配な場合は、個別機能訓練に力を入れている事業所が選択肢になります。個別機能訓練加算の取得状況だけでなく、どのような訓練を行っているのかも確認すると、本人の状態に合った事業所を選びやすくなります。

認知症の症状への対応に悩んでいる家庭では、認知症の方への対応や家族からの相談に慣れている事業所を選びたいところです。認知症加算の取得状況も参考になりますが、日頃の対応や相談のしやすさも大切なポイントです。

働く人は自分が続けやすい特色から選ぶ

利用者との交流やレクリエーションが好きな人には、日中の活動に力を入れている事業所が向いている場合があります。利用者と一緒に楽しみながら、活動内容を考えたり工夫したりする機会も多くなります。

自立支援や機能訓練に関心がある人には、機能訓練特化型のデイサービスも選択肢になります。機能訓練指導員と関わる機会があれば、利用者の身体機能や生活動作について学べることもあります。

送迎の運転に不安がある人は、運転業務の有無を確認しておきたいところです。小規模デイサービスでは介護職員が送迎を担当することも多い一方、大規模な事業所では専属の運転手を配置している場合もあります。

合わないと感じても別の事業所なら合うことがある

デイサービスを利用する際、ケアマネージャーに紹介された事業所が本人に合わないこともあります。しかし、それだけでデイサービス自体が合わないと判断する必要はありません。事業所が変われば、過ごし方や雰囲気も変わります。

僕の叔父も、いくつかのデイサービスを利用したうえで、最終的には体を動かせる器具がある機能訓練型の事業所を選んでいました。

本人が「何を楽しみにしているのか」「どのような過ごし方を望んでいるのか」によって、合う事業所は違います。

デイサービスで働いている人も、今の職場が合わないからといって、デイサービスの仕事そのものが向いていないとは限りません。事業所によって仕事内容や職員の役割、日々の働き方には違いがあります。

大切なのは、デイサービスが合うか合わないかだけで判断せず、どのような特色を持つ事業所なら自分に合うのかを考えることです。特に働く場所を選ぶ際は、事前の見学で職場の雰囲気や実際の仕事内容を確かめておくことも役立ちます。

デイサービスを理解して自分に合った事業所を選ぶ

デイサービス介護職人_デイサービスとはサービスと事業所

デイサービスという言葉には、「介護保険制度上のサービス」を指す意味と、「サービスを提供する事業所」を指す意味があります。この2つを区別して考えると、デイサービスの仕組みや事業所ごとの違いも理解しやすくなります。

一般的によく知られているのは、通所介護と地域密着型通所介護です。自宅から通い、入浴や機能訓練などを受けながら日中を過ごすサービスで、本人の生活や身体機能の維持だけでなく、家族の介護負担を軽減する役割もあります。

また、レクリエーションや機能訓練など、力を入れていることは事業所によって異なります。こうした特色によって、利用者の過ごし方だけでなく、職員の仕事内容や働く環境にも違いが生まれます。

デイサービスを利用する人も、これから働こうと考えている人も、事業所ごとの特色を知ることが大切です。 利用する目的や働くうえで大事にしたいことは人によって違います。

自分が何を求めているのかを考え、事業所ごとの違いも踏まえて、自分に合ったデイサービスを選びましょう。

デイサービス介護職人_案内
デイサービス介護職人_案内

\ 実際の求人を見てみる /

\ 介護の仕事をもっと身近に!希望に合った職場を探すならこちら /

目次