デイサービスのやりがいとは?きつい・低賃金だけでは語れない仕事の魅力【15年の現場経験から解説】

デイサービスというと、「きつい」「大変」「給料が低い」といったイメージを持つ方は少なくないと思います。実際、介護職全体が一般企業と比べて収入面で厳しいと言われる中で、デイサービスはその中でも低い印象を持たれやすい職場です。人の健康や生活に関わる仕事でありながら、心身の負担もあるとなれば、条件の悪い仕事だと受け取られてしまうのも無理はありません。

ただ、そのような見え方だけでは語れないのが、デイサービスの現場です。実際には、嫌々ではなく、生き生きと働いている職員がいます。そしてその人たちは、給料や条件だけでは測れないやりがいを、この仕事の中でしっかり感じています。

この記事では、一般的な「きつい」「低賃金」という印象の裏側にある、デイサービスならではのやりがいについて、現場の感覚に沿って整理していきます。働く意味をどこに感じるのか、なぜこの仕事を続ける人がいるのかを、実際の関わりや空気感も含めてお伝えします。

目次

デイサービスは「きつい・低賃金」だけでは語れない仕事

デイサービスは、条件面だけを見れば厳しく映りやすい仕事です。ただ、現場で長く見てきた感覚としては、それだけでこの仕事の価値を判断してしまうのは、かなりもったいないことだと思っています。実際には、その厳しさを知ったうえで、それでもこの仕事にやりがいを感じている人が多くいます。

一般的なイメージだけを見ると条件の悪い仕事に見えやすい

デイサービスは、介護職の中でも比較的給料が低いというイメージを持たれやすい仕事です。介護職自体が、一般企業と比べると平均年収が少ないと言われる中で、その中でもさらに低いレベルだと思われることがあります。そう考えると、お金の面では厳しく、しかも人の健康や生活に関わる仕事である以上、精神的にも身体的にも負担が大きい仕事だと感じる方もいるでしょう。

実際、その見方自体は間違いではないと思います。現場では、体力も気も使いますし、気楽にできる仕事ではありません。利用者の体調や気持ちに気を配り、事故が起きないよう注意しながら、一日の流れを職員同士で支えていく必要があります。それを考えれば、決して楽な仕事ではないという認識は自然です。

それでも生き生きと働く人がいるのがデイサービスの現実

ただ、その一方で、デイサービスを選んで嫌々ではなく、生き生きと働いている人たちがいます。単に仕事としてこなしているのではなく、明らかにやりがいを持って働いている人がいるのが、この仕事の現実です。

それは、条件の悪さを我慢しているというだけではありません。もちろん生活のために働くという面はありますが、それ以上に、ここでしか得られない手応えや喜びがあるから続けられているのだと思います。実際に現場にいると、数字や条件では説明しきれない魅力があることを強く感じます。

利用者との距離が近く、感謝を直接受け取れることが大きなやりがいになる

デイサービスのやりがいとして、まず大きいのは利用者とのコミュニケーションです。ただ介助をするだけではなく、日々同じ空間で過ごし、言葉を交わし、その積み重ねの中で信頼関係ができていきます。その距離の近さが、この仕事の魅力につながっています。

利用者との会話や関わりが深い信頼関係につながる

デイサービスに特化して言うのであれば、最大のやりがいは、やはり利用者とのコミュニケーションだと思います。関わりの中で深い信頼関係ができていくことは、日々働くうえで大きな支えになります。

入所施設とはまた違い、デイサービスは在宅で生活している方が通ってくる場所です。利用者は毎日まったく同じ状態ではなく、その日の気分や体調を持って来所されます。その中で、ただ業務として接するのではなく、一人ひとりとの関係を築いていくことが求められます。そうして少しずつ距離が縮まり、「この人には話せる」「この人がいると安心する」と感じてもらえるようになることが、職員にとって大きなやりがいになります。

「ありがとう」を日常的に直接受け取れる仕事は意外と多くない

デイサービスでは、利用者の感謝の声を直接受け取れることが珍しくありません。むしろ、日常的に起こっています。これはかなり大きな特徴だと思います。

介護職全般にも言えるかもしれませんが、一般の仕事をしていると、「ありがとう」と直接言ってもらえる機会は、思っているほど多くない気がします。飲食店で「ごちそうさま、今日も美味しかったです」と言ってもらえることが、毎日のようにどれほどあるかと考えると、そう多くはないでしょう。その点、デイサービスでは、利用者から自然に感謝の言葉が出てきます。しかも、ただ言葉だけではありません。しっかり目を見て、笑顔で一言をくれる場面も少なくありません。

この感謝の気持ちを、言葉として、表情として、直接受け取れるというのは、デイサービスで働くやりがいにかなり大きく影響していると思います。大変なことがあっても、その一言で救われる場面は確かにあります。

心を閉ざしていた利用者が変わっていく過程に立ち会える

デイサービスのやりがいは、その場の感謝だけではありません。最初は心を閉ざしていた利用者が、少しずつ変わっていく過程を見られることも、この仕事ならではの手応えです。関わりが形になって返ってくる感覚があります。

最初は心を閉ざしていた利用者が徐々に慣れていく

利用者の中には、最初から明るく馴染める方ばかりではありません。慣れない環境に警戒していたり、他人と関わること自体に気持ちが向かなかったりして、最初は表情も硬く、あまり会話をしてくれない方もいます。

ただ、デイサービスでは、その方と継続的に関わることができます。毎回の声かけやちょっとしたやり取り、無理に踏み込まずに見守る時間も含めて、少しずつ信頼ができていきます。そうして、最初は心を閉ざしていた利用者が、徐々に笑顔を見せるようになったり、自分から会話をしてくれるようになったりするのを見ると、やっていてよかったと感じる職員は多いです。

「毎日でも来たい」と言われた時に感じる手応え

さらに、そうした利用者が最終的に「毎日でも来たい」と言ってくれるようになることがあります。デイサービスに来ること自体を楽しみにしてもらえるようになると、職員としては非常に大きなやりがいになります。

これは単に場を回しているだけでは生まれない言葉です。利用者にとって、その事業所が安心できる場所になり、職員との関わりや一日の過ごし方が心地よいものになっているからこそ出てくる言葉だと思います。そうした変化に立ち会えることは、デイサービスで働く意味を強く感じる瞬間です。

デイサービスは利用者本人だけでなく在宅生活そのものを支える仕事

デイサービスの仕事は、利用者と楽しく過ごすことだけではありません。その人が今の生活を続けていけるよう支えることに、大きな役割があります。目の前の一日だけではなく、在宅生活全体を支えているという感覚が持てることも、この仕事のやりがいです。

できなかったことができるようになる支援に関われる

デイサービスでは、体操や機能訓練、リハビリなどを行う中で、今までできなかったことができるようになる場面があります。高齢者にとって、それはとても大きなことです。できることが一つ増えるだけで、本人の自信にもつながりますし、生活のしやすさにも影響します。

職員としては、その変化のすぐ近くにいられることがやりがいになります。ただ一緒に過ごしているのではなく、その人の生活の維持や改善に関われていると感じられるからです。利用者の笑顔が増えることもそうですが、実際に生活に結びつく変化があると、この仕事の意味をより強く実感できます。

今の生活を維持し続ける支えになれることにも意味がある

また、やりがいは何かが大きく改善することだけではありません。今できていることを維持し続けることにも、十分大きな意味があります。高齢になると、何もしなければ少しずつできることが減っていくことも珍しくありません。その中で、今の状態を保ちながら生活を続けていくこと自体が、とても大切です。

デイサービスは、その維持を支える場所でもあります。通うことで生活リズムが整い、身体を動かす機会ができ、人と関わる時間が生まれます。その積み重ねが、在宅生活を続ける柱になっています。自分たちの関わりが、その人の今の暮らしを支えていると感じられることは、大きなやりがいです。

家族の負担を軽くし、家庭全体を支えている実感が持てる

デイサービスが支えているのは利用者本人だけではありません。実際には、その家族の生活にも深く関わっています。家族からの感謝の言葉を受け取ることや、家庭全体を支えていると感じられることも、この仕事の大きな魅力です。

送迎時に家族から直接感謝される場面がある

デイサービスでは、送迎時に家族と顔を合わせる機会があります。その中で、感謝の言葉を直接もらうことは少なくありません。「本当に心から感謝しています」というような声を聞くこともあります。

利用者本人からの感謝はもちろんうれしいものですが、家族からの言葉にはまた別の重みがあります。本人だけでなく、その周囲の生活も支えられていることが伝わってくるからです。家の中で介護を担っている家族にとって、デイサービスの存在がどれだけ大きいかは、現場にいるとよく分かります。

利用者を預かることで家族の生活や休息も支えている

デイサービスには、家族がその間だけでも介護から離れ、少し休息を取るための大切な役割があります。自分たちが利用者を見ている間に、家族が安心して休める。それだけでも、家庭にとっては非常に大きな意味があります。

在宅介護は、本人だけではなく家族にも負担がかかります。その中で、デイサービスを利用する時間があることで、家族が少し気を緩められたり、自分の用事を済ませたり、気持ちを整えたりすることができます。そう考えると、デイサービスの仕事は本人へのサービスであると同時に、家族生活を支える仕事でもあります。その実感が、やりがいにつながっていきます。

チームで利用者を支え、喜びを一緒に作る充実感がある

デイサービスのやりがいは、利用者との一対一の関わりだけではありません。職員同士で考え、支え合いながら一つの場を作っていくことにも、しっかりした充実感があります。チームで働くからこそ感じられるやりがいがあります。

レクリエーションやイベントを職員同士で作り上げる楽しさ

デイサービスでは、イベントやレクリエーションの企画をみんなで考え、形にしていくことがあります。利用者に喜んでもらうために、何をやるか、どう進めるかを職員同士で相談しながら組み立てていく時間には、独特のやりがいがあります。

実際にやってみて利用者が笑顔になったり、楽しそうに参加してくれたりすると、感謝の言葉とはまた別の充実感があります。自分たちが考えたことがそのまま喜びにつながったという感覚です。そうした積み重ねは、日々の仕事を前向きにする力になります。

支え合いながら働く中で生まれるチームとしてのやりがい

デイサービスの現場は、一人では回りません。送迎、入浴、食事、レクリエーション、体調確認など、さまざまな業務を職員同士で支え合いながら進めています。だからこそ、チームとしてうまく回せた時には、一人では得られない達成感があります。

利用者から感謝されるやりがいとは別に、職員同士で協力し、一つのことを成し遂げたという手応えがあります。日々支え合って働いているからこそ感じられるやりがいは、デイサービスの大きな魅力の一つだと思います。

デイサービスは人としても介護職としても成長を感じやすい

デイサービスのやりがいは、誰かの役に立てることだけではありません。自分自身が変わっていくこと、成長していくことを実感しやすいのも、この仕事の特徴です。人としての成長と、介護職としての成長の両方を感じやすい職場だと思います。

利用者との関わりを通して人間的に視野が広がっていく

利用者の人間性に触れ、多種多様な考え方の高齢者と関わる中で、いろいろな人生観を学ぶことができます。それは、教科書的な知識とは違い、実際にその人の言葉や態度の中から感じ取るものです。

そのような関わりを続けていくと、自分自身が人間的に豊かになっていくのを感じます。今までであればイライラしていたことや、我慢できなかったことに対しても、多角的に見られるようになり、相手の立場で物事を考えやすくなります。そうした変化を自分で感じられることも、やりがいの一つです。

レクや介護技術で自分の成長を実感できる

また、成長は気持ちの面だけではありません。レクリエーションの企画や進行も、最初のうちは緊張していたものが、だんだんと中心になって行えるようになっていきます。その変化の中で、自分の技術が上がっていると感じられることがあります。

介護技術の面でも同じです。一般的には、デイサービスは入所施設より身体介助を学ぶ機会が少ないと言われることがありますが、だからといって何も学べないわけではありません。入浴介助は毎日の流れの中で必ず起こることですし、そのような身体介護を繰り返す中で、できなかったことができるようになる実感があります。介護技術が上達していると感じられることは、仕事の手応えにつながります。

資格取得や職種の広がりがあり、将来につながるやりがいもある

デイサービスのやりがいは、その日の仕事の中だけにあるわけではありません。この仕事を続けることで、資格や役割の面でも次の段階を目指しやすくなります。将来につながる道が見えやすいことも、働く意味の一つになります。

未経験から資格取得を重ねて成長を形にしやすい

介護の世界には、未経験から入って段階的に学んでいける資格があります。まずは介護職員初任者研修や認知症基礎研修を学び、その後、実務者研修、介護福祉士へと進んでいく流れがあります。介護福祉士の受験資格である三年以上の実務経験の中に、こうしたステップアップが詰まっています。

僕は一般企業に勤めていたことがありますが、職種にもよるとはいえ、一つひとつ資格をクリアして、それを仕事に生かしていく流れは、そこまで多くありませんでした。その点、介護の世界は、成長が資格という形でも見えやすいです。体感として成長しているだけではなく、実際に形として積み上がっていくことが、やりがいになりやすいと思います。

介護職員から相談員・管理者など次の道も見えやすい

デイサービスでは、介護職員として働くだけでなく、その先に生活相談員や管理者といった道もあります。現場での経験を積みながら、役割を広げていけることは、働き続けるうえで大きな意味があります。

また、介護技術の面でやりがいを感じ、その延長で入所施設に転職していく方もいます。未経験から始めて成長し、その中で自分の向いている方向が見えてくることもあります。そこにやりがいを感じたのであれば、それはそれでいい介護職のステップアップだと僕は思っています。デイサービスは、その最初の土台としても価値のある職場です。

日勤中心だからこそ勉強や将来の準備がしやすい

デイサービスは日勤帯中心の仕事であることから、将来に向けた準備もしやすい面があります。僕が勤めていたデイサービスでは、介護職員として働きながら、その先に機能訓練指導員としてのステップアップを目標にして、勤務後に夜間の学校で作業療法士の学校に通っていたスタッフもいました。

もちろん夜に勉強するのは大変です。ただ、それでも日勤中心だからこそ、そのような学び方が現実的になります。資格の勉強や次の目標に向けた準備がしやすい生活リズムを作れることも、デイサービスの魅力です。仕事そのものだけでなく、その先の人生設計まで考えやすいことも、やりがいにつながる部分だと思います。

デイサービスのやりがいは、人に喜ばれながら自分も前に進めること

ここまで見てきたように、デイサービスのやりがいは一つではありません。利用者ができなかったことができるようになること、利用者の笑顔が見られること、家族から感謝されること、そして自分自身も成長していけること。こうしたものが重なって、この仕事のやりがいになっています。

一般的な仕事と比べてどうかというのは簡単には言えません。ただ、少なくともデイサービスの仕事は、自分の生活や人生にかなり密接な仕事だと思います。仕事とプライベートを完全に切り離して考えるというより、仕事そのものが自分を成長させ、人に喜ばれる実感を持たせてくれる場になりやすいのです。

もちろん、給料や負担の現実はあります。それでも、それだけでは見えない価値があるからこそ、この仕事を続ける人がいます。デイサービスのやりがいとは、人を支えながら自分も前に進めることです。それが、この仕事のいいところだと僕は思っています。

この記事を書いた人

デイサービス歴15年。現場から経営・採用まで幅広く経験してきました!
100名以上の面接実績を活かし、現場の本音や転職に役立つ知見を発信中。
「チームで支える介護」の魅力を広め、皆さんの心強い味方を目指します!

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