デイサービス(通所介護)とは?サービス内容・料金・事業所ごとの違い【15年の現場経験者が解説】

「デイサービス」という言葉をよく耳にしますが、制度上は、通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護、認知症対応型通所介護などのサービスをデイサービスと言います。

ただ、現場感覚も含めて言うと、多くの人が普段イメージしている「デイサービス」は、通所介護と地域密着型通所介護であることが多いです。この記事では、この2つを中心に、一般的なデイサービスとはどういうサービスなのかを分かりやすく説明していきます。

目次

通所介護(デイサービス)とは何か

一般的に「デイサービス」と呼ばれているものが何なのかを、まず整理しておきましょう。デイサービスという言葉自体は広く知られていて、「高齢者が日中に通って支援を受ける場所」というイメージを持っている人は多いと思います。

ただ、実際にどのようなサービスを受けられるのか、制度上は何を指しているのかまで細かく理解している人はそれほど多くありません。そこでまずは、一般的に「デイサービス」と呼ばれているサービスの中身から見ていきます。

デイサービスの種類

デイサービスは厳密にいうと一種類ではありません。制度上は、通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護、認知症対応型通所介護などがあります。ただ、一般的に「デイサービス」と言ったときに多くの人が思い浮かべるのは、通所介護と地域密着型通所介護です。

この2つは、指定を行う行政が違います。通所介護は都道府県や政令市、中核市などが指定し、地域密着型通所介護は市区町村が指定します。ただ、実際のサービス内容としてはかなり近く、分かりやすい違いとしては利用定員が19人以上か18人以下かという点です。

そのため、この記事ではこの2つをまとめて、一般的なデイサービスとして説明していきます。療養通所介護や認知症対応型通所介護は性質がやや異なるため、今回は中心には置かず、普段よくイメージされるデイサービスの説明に絞ります。

デイサービスの基本的な役割

デイサービスの基本的な役割は、自宅で暮らしている人が日中に必要な支援を受けながら、生活リズムを保ち、状態の維持につなげることです。家にこもりがちになりやすい人にとっては、外に出るきっかけになる意味も大きいです。

また、利用者本人だけでなく、家族にとっても重要なサービスです。日中の介護負担が軽くなることで、家族が少し休める時間を持てるからです。現場で見ていても、デイサービスは本人支援と家族支援の両方を担っているサービスだと感じます。

さらに今は、ただ安全に一日を過ごすだけでなく、自立支援や重度化防止もより重視されるようになっています。昔のイメージのまま「お風呂と食事とレクリエーションの場所」とだけ捉えると、今のデイサービスの実態とは少しずれてきます。

デイサービスで受けられるサービス内容と1日の流れ

デイサービスの特徴をつかむうえで分かりやすいのは、一日の流れで見ることです。自宅から通い、日中に必要な支援を受けて、また自宅へ戻るという流れがあるため、家族にとっても利用イメージを持ちやすいサービスです。

ただし、同じデイサービスでも、どの活動に力を入れているかはかなり違います。そのため、流れは似ていても、中身まで同じとは限らないという前提で見ることが大切です。

送迎から帰宅までの一般的な流れ

デイサービスでは、朝になると事業所の車が自宅まで迎えに来ます。基本的には玄関まで迎えに来て、帰りも玄関まで送るところまで含めてサービスの一部として考えられています。自力で通えない人でも利用しやすいのは、この仕組みがあるからです。

事業所に到着すると、まず健康チェックがあり、その後に入浴や体操、昼食、おやつ、レクリエーションなどの流れで一日を過ごすことが多いです。午後に機能訓練や活動が入ることもあり、過ごし方は事業所の方針や本人の状態によって変わります。

最後はまた事業所の車で自宅まで送り届けてもらいます。こうした送迎を含めた一日の流れがあることで、本人にとっては通いやすく、家族にとっても利用しやすいサービスになっています。

デイサービスで受けられる主な支援

デイサービスで受けられる支援は幅がありますが、大きく見て、生活支援、身体介護、活動参加、機能維持の支援に分けて考えると理解しやすいです。単に食事や入浴だけを受ける場ではなく、日中の生活全体を支えるサービスと見ると全体像がつかみやすくなります。

具体的には、入浴介助、食事の提供、排泄介助、健康チェック、体操やレクリエーション、基本的な機能訓練やリハビリ的な支援などがあります。ただし、これらをすべて同じ比重で行っているわけではありません。レクリエーションに力を入れている事業所もあれば、機能訓練を重視している事業所もありますし、入浴対応の充実を強みにしているところもあります。

なお、入浴は利用者全員が必ず行うものではありません。自宅で入れる人や、本人が希望しない場合は利用しないこともあります。このあたりも、デイサービスが一律ではなく、本人の状態や生活に合わせて使われているサービスだと分かる部分です。

利用できる人・利用時間・料金の考え方

デイサービスを利用しようとしたとき、分かりにくいのが対象者、利用時間、料金の考え方です。特に初めて利用する人や家族にとっては、「結局いくらかかるのか」「誰でも使えるのか」が見えにくいと思います。

ただ、この部分は対象者、時間区分、加算の3つに分けて見れば、かなり理解しやすくなります。ここを押さえておくと、料金表や説明も理解しやすくなります。

デイサービスを利用できる対象者

一般的なデイサービスとしてこの記事で扱っている通所介護・地域密着型通所介護の基本的な対象者は、要介護1〜5の認定を受けている人です。多くの人がイメージするデイサービスの中心は、ここに当たります。

一方で、要支援1・2の人もデイサービスを利用することはありますが、現在は原則として市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の枠で行われています。つまり、同じように「デイサービスを使う」と言っても、制度上は別枠として見たほうが分かりやすいです。

しかも総合事業は自治体ごとに設定が異なります。回数で決まるのか、月単位で決まるのか、一定回数以上で変わるのかなども違うため、要支援の場合は利用する自治体の内容を確認する必要があります。

利用時間と延長サービスの考え方

デイサービスは、ほかの介護サービスと比べても利用時間の区分が細かく分かれているのが特徴です。基本的には3時間を超えるものから9時間まで、1時間刻みの区分が中心ですが、2時間を超える短めの利用もあります。

さらに、事業所によっては延長サービスを行っていて、10時間や11時間の利用に対応している場合もあります。ただし、どこまで受け入れているかは事業所ごとに違うため、長時間利用を前提に考えるなら事前確認が必要です。

同じデイサービスでも、短時間で機能訓練中心に使うのか、長めに利用して入浴や食事も含めて使うのかで、使い方はかなり変わります。本人の状態だけでなく、家族の介護状況によっても選び方が変わる部分です。

料金が変わる主なポイント

デイサービスの料金は、利用時間の長さだけで決まるわけではありません。事業所の規模や加算の有無でも変わるため、「デイサービスはいくら」と一括で言いにくいのが実際です。

特徴的なのは、規模が大きい事業所ほど利用料金が安くなりやすく、規模が小さい事業所ほど高くなりやすいことです。介護保険では単位数で管理されていますが、この単位数が小規模のほうが高く設定される傾向があります。通所介護と地域密着型通所介護を比べるときも、この感覚は持っておいたほうが分かりやすいです。

さらに、入浴介助や機能訓練などの加算がつくと、基本料金に上乗せされます。入浴についても全員が必ず使うわけではないため、実際の請求額は利用内容によって変わります。料金を見るときは、「基本報酬」「時間区分」「加算」を分けて考えるとわかりやすいです。

デイサービスの加算と、今のデイサービスで評価されていること

今のデイサービスを理解するうえで外せないのが加算です。利用者や家族から見ると分かりにくい部分ですが、事業所がどのような取り組みをしているかが評価される仕組みでもあるため、実はかなり重要です。

昔ながらのイメージだけで見ると、加算は単なる追加料金のようにも見えます。しかし実際には、追加の取り組みや専門的な対応を評価する仕組みとして見るほうが実態に近いです。

よく知られている加算

一般に知られやすい加算としては、まず入浴介助があります。実際、利用者や家族が最初に気にしやすいのも入浴の有無や入浴料金であることが多いです。

ただ、実際にはそれだけではありません。個別機能訓練、認知症への対応、ADLの維持、口腔機能向上、口腔・栄養スクリーニング、栄養改善、重度者へのケアなど、さまざまな加算があります。利用者から見えやすいものもあれば、見えにくいものもありますが、事業所としてはこうした加算に対応することで、より専門性のある支援を行っています。

料金表だけを見ると分かりにくくても、中身としてはサービスの質に関わる部分です。そのため、加算がついているかどうかだけでなく、何を評価している加算なのかまで見られると理解しやすくなります。

今のデイサービスで重視されている支援

最近のデイサービスで特に重視されているのは、自立支援と重度化防止です。以前よりも、ただ安全に一日を過ごすだけではなく、どう機能維持につなげるか、どう状態悪化を防ぐかが強く見られるようになっています。

そのため、機能訓練、外部のリハビリ専門職との連携、口腔ケア、栄養マネジメントなどへの取り組みが評価される流れになっています。デイサービスはレクリエーションだけの場と見られがちですが、制度上はそれだけではありません。

現場感覚としても、今のデイサービスは「楽しさ」と「機能維持」の両方が求められています。レクリエーションがあるからこそ通いやすく、その一方で機能訓練や口腔・栄養への関わりも大切になっているというのが、今の実態に近いです。

デイサービスで働く職種と、事業所ごとの違い

デイサービスは、介護職だけで成り立っているわけではありません。複数の職種が関わり、それぞれの役割を持ちながらサービスを支えています。この視点を持つと、利用する側にも働く側にも見え方が変わってきます。

また、同じデイサービスでも、どの職種にどれだけ力を入れているか、どんなサービスを中心にしているかで事業所の個性は大きく変わります。制度名だけでは見えない差がかなり大きいサービスです。

デイサービスにいる主な職種

ここでいうデイサービスはあくまで、通所介護と地域密着型通所介護です。そのうえでデイサービスには、まず全体をまとめる管理者がいます。さらに、利用者本人や家族の相談に乗る生活相談員、日々の介護を担う介護職員、健康面を見る看護職員、機能訓練を担う機能訓練指導員などが配置されています。

この中でも、管理者や生活相談員がきちんと相談に乗れることは、利用者や家族にとって安心材料になりやすいです。現場でも、困ったときに相談できる窓口がはっきりしていることはかなり大きいと感じます。

介護職員の人数は利用者数に応じて決まり、規模によって変わります。機能訓練指導員がしっかり関わっている事業所では、リハビリ的な支援を受けやすいのも特徴です。看護職員についても、今回中心に扱っている一般的なデイサービスでは健康面を見ながら利用しやすい体制づくりに関わる重要な職種です。

同じデイサービスでも事業所ごとにかなり違う

デイサービスは事業所差が大きいサービスです。レクリエーションを重視しているところもあれば、機能訓練を中心にしているところもあります。入浴対応を強みにしているところもあります。

つまり、同じ通デイサービスでも、雰囲気や過ごし方はかなり違います。そのため、利用者が「デイサービスが合わない」と感じたときでも、実際にはデイサービスそのものが向いていないのではなく、その事業所の特色が合っていないだけということがあります。

ケアマネージャーに勧められた先が合わなかったとしても、それで終わりにする必要はありません。別のデイサービスに変えることで合うケースは普通にあります。これは働く側でも同じで、一つのデイサービスに勤めて合わなかったからといって、デイサービス全体が向いていないとは限りません。

デイサービスを選ぶときに見るべきポイント

デイサービスを選ぶときに大事なのは、「デイサービスかどうか」だけで決めないことです。本当に見るべきなのは、その事業所の特色が本人に合っているかどうかです。制度の名前だけでは分からない部分がかなり多いからです。

通所介護でも地域密着型通所介護でも、過ごし方、レクリエーションの雰囲気、機能訓練の内容、入浴対応、利用時間などはかなり違います。具体的な中身を見ることが大切です。

利用者・家族が確認したいこと

利用者や家族が確認したいのは、料金だけではありません。一日の過ごし方や雰囲気まで含めて相性を見ることが、デイサービス選びではかなり重要です。

たとえば、送迎の範囲や時間はどうか、入浴はできるのか、どの程度対応しているのか、レクリエーションは多いのか、落ち着いた過ごし方が中心なのか、機能訓練にどれくらい力を入れているのか、長時間利用や延長対応はあるのかといった点は、確認しておいたほうがよいです。食事や休憩の雰囲気が本人に合いそうかも、実際にはかなり大事です。

ケアマネージャーに勧められたところが合わないと感じても、「合わないな」で終わらせる必要はありません。事業所の特色が違えば合う可能性は十分あります。実際、いろいろなデイサービスを試しながら本人に合う場所を見つけることは珍しくありません。

働く側が職場選びで見るべきこと

デイサービスで働くことを考える場合も、仕事内容だけで判断しないほうがよいです。大切なのは、その事業所が何を重視しているか、自分に合う現場かどうかを見ることです。

たとえば、レクリエーションの比重が大きいのか、入浴介助が多いのか、機能訓練色が強いのか、送迎の割合が大きいのかで、日々の働き方はかなり変わります。規模感や職種連携のしやすさも、働きやすさに直結します。

一つのデイサービスで合わなかったからといって、デイサービス全体が向いていないと決めるのは早いです。デイサービスは事業所ごとの個性が非常に大きいので、転職を考えるときも「デイサービス向きかどうか」ではなく、「どんなデイサービスが自分に合うか」で見た方が現実的です。

まとめ

デイサービスと呼ばれるものは一種類ではありませんが、一般的に多くの人がイメージしているのは、通所介護と地域密着型通所介護であることが多いです。この2つは指定を行う行政に違いはあるものの、サービス内容としてはかなり近く、分かりやすい違いとしては利用定員が19人以上か18人以下かという点があります。

内容としては、自宅から通って入浴、食事、健康チェック、体操、レクリエーション、機能訓練などを受けられる居宅介護サービスで、生活リズムの維持や閉じこもり防止、家族の介護負担の軽減といった役割があります。今はそれに加えて、自立支援や重度化防止もより重視されるようになっています。

また、同じデイサービスでも事業所ごとの差はかなり大きいです。レク中心、機能訓練中心、入浴重視など色合いも違えば、雰囲気や過ごし方も変わります。そのため、利用する側も働く側も、「デイサービスが合うか合わないか」で考えるより、その事業所の特色が自分や利用者に合っているかで見ることが大切です。

制度だけを見ると難しく感じやすいですが、実際には事業所ごとの中身まで見て初めて全体像がつかめるサービスです。名前だけで判断せず、どんな支援を受けられるのか、どんな雰囲気の事業所なのかまで見ていくと、デイサービスはかなり分かりやすくなります。

この記事を書いた人

デイサービス歴15年。現場から経営・採用まで幅広く経験してきました!
100名以上の面接実績を活かし、現場の本音や転職に役立つ知見を発信中。
「チームで支える介護」の魅力を広め、皆さんの心強い味方を目指します!

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