デイサービスが人手不足でつらい時はどうする?現場の限界サインと職場の見極め方【現場経験の採用担当が解説】

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デイサービスで働いていると、「人が足りない」「この人数で回すのはきつい」と感じる場面は少なくないと思います。

送迎、入浴、フロア対応、記録、掃除、家族対応など、デイサービスの仕事は限られた時間の中でやることが多く、人手不足になると一気に現場への負担が重くなります。

ただ、介護業界全体が人手不足だからといって、すべてを「仕方ない」で終わらせていいわけではありません。

ある程度の大変さは介護の仕事にありますが、「休憩が取れない」「残業が続く」「送迎や入浴の負担が一部の職員に偏る」ような状態は、職場として見直すべき問題です。

この記事では、デイサービスの人手不足そのものの原因を深く掘り下げるのではなく、今働いている職員が

「この職場は人が足りなさすぎるのではないか」

と感じた時に、どこを見ればいいのか、現場で何ができるのか、そして改善が見込めない時にどう考えればいいのかを、現場・管理者・採用側の経験から書いていきます。

目次

デイサービスの人手不足を「仕方ない」で終わらせない

まず、デイサービスだけでなく、介護業界全体で人手不足が続いていることは押さえておく必要があります。そこを見ないまま「この職場だけが人手不足でおかしい」と考えてしまうと、介護業界全体にある構造的な問題が見えにくくなります。

一方で、「介護業界はどこも人手不足だから仕方ない」と考えすぎると、本当に危険な職場環境まで我慢してしまうことがあります。大切なのは、業界全体の人手不足と、今働いている職場の人手不足を分けて考えることです。

介護業界全体が人手不足なのは現実

デイサービスだけでなく、介護業界全体で人が足りないという感覚を持っている職員は多いと思います。高齢化で介護を必要とする人は増えていますが、働く世代は減っています。その中で介護職員を確保していくのは、簡単なことではありません。

さらに、デイサービスの仕事は身体的にも精神的にも負担があります。利用者の介助、送迎、家族対応、記録、職員間の連携など、求められることは多いです。それに対して、一般企業と比べて給与面で大きな魅力を出しにくい現実もあります。

デイサービスは、夜勤がない分、介護業界の中でも給与水準が低くなりやすい傾向があります。ただ、それは仕事が楽だから給料が低いという意味ではありません。日中だけで多くの業務を回す必要があるため、現場の負担は決して小さくありません。

職場によって人手不足の深刻さは違う

人手不足の感じ方は職場によって大きく違います。どの事業所でもある程度は大変だとしても、「近くの事業所と比べても明らかにうちだけ人が足りない」と感じるなら、それは別の問題として考える必要があります。

送迎が毎日のようにギリギリで回っている、入浴介助が同じ職員に偏っている、フロアを一人で長時間見なければならない休憩が取れない状態が続いている。こうした状況が日常化しているなら、単なる業界全体の人手不足では済ませられません。

僕が見てきた現場では、介護職員には我慢強い人が多い印象があります。利用者に迷惑をかけたくない、他の職員に負担をかけたくないという思いから、多少無理をしてでも現場を回してしまうことがあります。

しかし、そうして無理を重ねながら回し続けてしまうと、会社側が現場の危険な状態に気づきにくくなることもあります。

「業界全体の問題」と「今の職場の問題」は分けて考える

デイサービスの人手不足を考える時は、「介護業界だから仕方ない部分」「今の職場が改善すべき部分」を分けて見ることが大切です。ここを分けないと、必要な改善を求められなくなります。

介護業界全体が人手不足なのは事実です。国の制度、介護報酬、少子高齢化など、現場だけではどうにもならない部分があります。

デイサービスは定員が決まっているため、どれだけ人気があっても無制限に利用者を増やせるわけではありません。売上の上限がある以上、人件費にも限界があります。

それでも、職員が休憩を取れない状態や、明らかに一部の職員に負担が偏る状態まで「仕方ない」で終わらせる必要はありません。業界全体の問題を理解したうえで、今の職場がどこまで現場を見ているのかを確認することが大切です。

どの場面で人手不足を感じるか確認する

人手不足といっても、実際にはいくつかの種類があります。全体的に職員が足りない場合もあれば、送迎だけが厳しい、入浴介助だけが足りないという場合もあります。

どの場面で人手不足を感じているのかを見ないまま「人を増やしてほしい」と言っても、会社側に伝わりにくいことがあります。まずは、どの業務で負担が強く出ているのかを分けて考える必要があります。

送迎に入れる職員が少ないと一部の職員に負担が偏る

デイサービスの一日は、送迎から始まり、送迎で終わります。朝に利用者を迎えに行き、夕方に自宅まで送るため、送迎に入れる職員が少ないと、同じ職員に負担が偏りやすくなります。

日中のフロアには職員がいて、一見すると「今日はそこまで人手不足ではない」と感じる日もあります。しかし送迎に入る職員は、利用者が来る前から働き、夕方の送りが終わるまで対応しているため、その負担が周囲に見えにくいことがあります。

送迎に入る職員は、送迎だけをしているわけではありません。利用者が到着すればフロアの仕事にも入り、夕方が近づけば送迎の準備にも追われます。そのため、日中の業務と朝夕の送迎を抱える形になり、慌ただしさが続きやすくなります。

このように、送迎の人手不足は、事業所全体の職員数だけでは見えにくい問題です。フロアに人が足りているように見えても、送迎に入れる職員が少なければ、一部の職員に負担が集中してしまいます。

入浴介助が足りない職場では身体的な負担が重くなる

入浴介助も、人手不足が出やすい業務です。特に同性介助を重視している職場では、女性利用者が多い場合、女性職員に入浴介助の負担が偏りやすくなります。

入浴介助は身体的な負担が大きい仕事です。連日入浴介助に入ると、腰痛や疲労が蓄積しやすくなります。人手が足りない状態で入浴人数が多いと、時間内に終わらせること自体が大きな負担になります。

入浴介助は途中で手を止めにくい業務でもあります。フロア対応のように他の職員と細かく分担しにくいため、入浴担当が足りない職場では、特定の職員に負担が集中しやすくなります。

フロアやレクリエーションが回らない時は全体の人員不足に近い

送迎や入浴は、担当する職員がある程度決まることがあります。しかし、フロア対応、体操、レクリエーションは職員全体で回していくことが多いです。ここが回らない場合は、全体的に介護職員が足りない状態に近いと考えた方がいいです。

フロアでは、見守り、誘導、排泄介助、体操、レクリエーション、記録、連絡帳の記入などが同時に重なります。職員数が少ないと、どれか一つをしている間に別の対応が手薄になります。

現場の職員は、すでに無駄を省きながら働いていることが多いです。それでも回らないのであれば、職員の努力だけでどうにかする段階を超えている可能性があります。

その場合は、会社側に職員を増やしてもらう、ICT化などで事務負担を減らしてもらうなど、現場だけではなく上司や法人に動いてもらう必要があります。

人手不足が続くと現場には具体的な負担が出てくる

人手不足は、「忙しい」「疲れる」という感覚だけでは終わりません。送迎の遅れ、事故リスク、休憩が取れない状態、記録や掃除の後回し、残業の増加など、現場全体に具体的な影響が出てきます。

小規模のデイサービスでは管理者や生活相談員が現場に入ることも多くなります。しかし、管理者や相談員が現場に入ればすべて解決するわけではありません。本来の業務が後回しになり、別のところで負担が出てきます。

無理な送迎は遅れや事故リスクにつながる

人手不足の事業所では、送迎にも余裕がなくなります。送迎に職員を出せば、その分フロアの人数が少なくなるため、本来なら複数台で分けたい送迎も、限られた人数で回さなければならないことがあります。

送迎は、利用者の自宅を順番に回るだけの仕事ではありません。朝の迎えが遅れれば利用者が不安になりますし、夕方の送りが遅れれば家族の予定にも影響します。

注意しなければならないのは、急いで運転しなければならない空気が生まれることです。送迎は安全が最優先ですが、全体の人手不足が続いていると、フロアのことも気になり、「早く戻らなければ」という焦りが出やすくなります。

これは職員の気持ちだけの問題ではありません。人数に余裕がない中で送迎を回そうとする体制そのものが、遅れや焦りを生み、事故リスクを高める要因になります。

休憩が取れない状態は当たり前にしてはいけない

人手不足の職場では、休憩がきちんと取れないことがあります。交代で休憩に入るはずが、フロアに人が足りず、結局休憩時間を返上してサポートする。そうした状態が続く現場もあります。

短時間だけ一時的にフロアが手薄になることは、どの職場でも起こるかもしれません。しかし、1時間近く一人でフロアを見なければならない、途中で排泄介助に入るとフロアに誰もいなくなるような状態は、職員の責任感だけで回していいものではありません。

休憩が取れない状態を現場が我慢してしまうと、会社側は「なんとか回っている」と受け取ってしまうことがあります。実際には回っているのではなく、職員が休憩を削って支えているだけです。ここは、きちんと会社側に伝える必要があります。

記録・掃除・洗濯が後回しになり残業が増える

フロア対応・体操・レクリエーション・排泄介助が重なると、日中の記録や連絡帳の記入まで手が回りにくくなります。掃除・後片付け・洗濯なども、利用者を送り出した後に残りやすくなります。

その結果、送迎後に記録を書き、片付けをし、洗濯をする流れになり、残業が増えることがあります。これは職員の段取りだけの問題ではなく、そもそも日中の人手が足りていない場合もあります。

人手不足の現場では、「あとでやればいい仕事」が少しずつ残っていきます。それが積み重なると、結果的に勤務時間後の残業につながります。

管理者や相談員が現場に入り続けると別の業務が止まる

小規模のデイサービスでは、管理者や生活相談員が現場に出て兼務していることも多いです。人手不足の時に管理者が現場に入るのは、現実としてあります。

ただ、管理者が現場に出れば問題が解決するわけではありません。管理者には、家族からの連絡、ケアマネジャーからの問い合わせ、書類作成、請求や運営に関する業務などがあります。電話が入れば現場を離れなければならないこともあります。

管理者を一人の介護職員と同じように数えてしまうと、管理者が抜けた時に残った職員がその穴を埋めることになります。その負担はかなり大きいです。管理者自身も、日中にできなかった書類を送迎後に残業して処理することになります。

人手不足は職員同士の空気も悪くしてしまう

人手不足の影響は、業務量だけに出るわけではありません。職員同士の空気にも影響します。忙しい状態が続くと、どうしても仕事が早い人、動ける人に負担が偏りやすくなります。

これは、誰かが悪いという単純な話ではありません。人手不足によって余裕がなくなり、職員同士の能力差や仕事量の差が見えやすくなってしまうのです。

忙しい職場では仕事ができる人に負担が偏りやすい

職員全員が同じスピードで動けるわけではありません。「経験年数」「判断力」「体力」複数のことを進める力」などには差があります。これはどの職場でも自然に起こることです。

しかし、人手不足の職場では、その差がそのまま負担の差になります。仕事が早い人」「気づける人」「動ける人」に仕事が集まりやすくなります。本人が頼まれたわけではなくても、気づいた人がやらざるを得ない場面が増えます。

その状態が続くと、動ける職員ほど疲れていきます。「自分ばかり動いている」と感じるようになり、職員間の不満につながります。

能力差が不公平感として見えてしまうことがある

仕事ができない人がサボっているとは限りません。単純に「処理能力の差」「経験の差」「判断の速さの差」で、同じ時間内にできる仕事量が違うことがあります。

本来であれば、そこはチームで補い合うものです。ただ、人手が足りないと補い合う余裕がなくなります。仕事が早い人には仕事が集まり、仕事が遅い人は周囲から厳しく見られやすくなります。

そうなると、仕事ができる人もつらくなり、仕事が追いつかない人もつらくなります。人手不足は、職員同士の関係を悪くする原因にもなります。

人手不足を職員同士の問題にしてはいけない

人手不足で職員同士の空気が悪くなっている時、それを個人同士の性格の問題だけで考えるのは危険です。根本には、人数が足りない、業務量が多すぎる、会社側が現場を十分に見ていないという問題がある場合があります。

もちろん、職員同士の声かけや協力は大切です。しかし、現場の努力だけで解決できない負担を、職員同士の我慢や気遣いだけで支え続けるのは限界があります。

だからこそ、人手不足で職員間の空気が悪くなっている時は、上司や会社側に状況を伝える必要があります。誰か一人の不満ではなく、現場全体の問題として伝えることが大切です。

人手不足の中で現場ができること

人手不足を根本的に解決するには、職員を増やすしかない場面もあります。ただ、現場でできることがまったくないわけではありません。

大切なのは、何でも削ることではなく、今の人数で安全に回すために「必要なものを残す」という考え方です。本当に必要な業務と、あった方がいいけれど今は優先順位を下げるしかない業務を分けて考える必要があります。

送迎コースや送迎時間を見直せるか確認する

送迎が厳しい場合は、まず送迎コースに無理がないかを見直す必要があります。送迎コースは管理者が組んでいる場合もありますが、現場の職員が実際の道路状況や利用者の準備状況を一番よく分かっていることもあります。

利用者の時間調整ができないか、ルートに無駄がないか、送迎の組み合わせを変えられないか。根本的に送迎スタッフを増やせない場合でも、送迎シフトやコースの見直しで負担が少し軽くなることがあります。

もちろん、現場だけで勝手に変えられることではありません。管理者と相談しながら、利用者や家族への影響も見て検討する必要があります。

入浴介助が連日続かないように調整する

入浴介助が足りない場合は、同じ職員に連日負担がかからないようにシフトを見直すことが大切です。特に身体的な負担が大きい業務なので、偏りが続くと腰痛や疲労につながります。

午前中に入浴が集中している場合は、数人を午後に回せないかを検討する方法もあります。午後はレクリエーションの時間にしたいところですが、午前中だけで無理に終わらせようとして負担が大きくなるなら、一部を午後に回すことも選択肢になります。

入浴介助専任の職員を採用してもらうことも、現実的な方法の一つです。

実際に僕がいたデイサービスでは、入浴介助だけを担当する職員を雇用したことがあります。パートや契約社員として、入浴介助専任の職員に入ってもらう形です。入浴担当だけが足りない場合は、このような採用の仕方も現実的な方法になります。

ただし、それは会社側が必要性を理解して動いてくれなければできません。現場でできることとしては、シフトを調整することや、午前中だけでなく一部を午後に回せないか管理者に相談することになります。

書類や会議は本当に必要なものか見直す

人手不足の時は、書類や会議も見直す必要があります。ただし、介護事業所には運営上必要な書類があります。現場の職員だけで「これはいらない」と判断するのは危険です。

デイサービスには運営指導があります。以前は実地指導と呼ばれていたものですが、定期的に必要な書類が整っているか確認されます。現場職員から見ると、どの書類が本当に必要なのか分かりにくいことも多いです。

だからこそ、管理者と話し合いながら、本当に必要なものと、今は優先順位を下げても運営上問題ないものを分ける必要があります。無駄を削るというより、必要なものだけを残すという考え方です。

また、現場の職員を集める会議の内容も見直した方がいい場合があります。現場で共有すべき内容なら必要ですが、稼働率や営業の話など、現場職員全員を残業させてまで行う必要があるのかは考えるべきです。

外出レクなど人員が必要な活動は一時的に減らす判断もある

本来であれば、利用者に楽しんでもらうために外出レクリエーションを行いたいと思う職員は多いはずです。デイサービスの良さは、ただ介護をするだけではなく、利用者の楽しみや社会参加にも関わるところにあります。

ただ、人手不足が深刻な時に、外出レクのように多くの人員が必要な活動を無理に続けると、現場の負担が大きくなります。安全面を考えても、職員数に余裕がない状態で外出を行うのは慎重に考える必要があります。

本当はやりたいことでも、今の人員では難しい場合があります。その時は、室内で少ない人員でも安全に行える内容に切り替える判断も必要です。

利用者のために頑張りたい気持ちは大切ですが、職員が限界を超えてしまえば、結果的に日常のケアにも影響します。

会社が人手不足に向き合っているかを見る

現場でできる工夫には限界があります。最終的には、会社が人手不足にどう向き合っているかを見る必要があります。

同じ人手不足でも、会社が募集しているのか、募集すらしていないのかでは意味がまったく違います。現場の声を聞いて採用条件を見直してくれる職場なのか、最低限の人員を満たしていれば問題ないと考える職場なのかも、大きな違いです。

募集すらしていない職場は改善が期待しにくい

本当に人手不足で現場が限界に近いのに、会社が職員募集をしていない場合は、改善の見込みはかなり低いと考えた方がいいです。人が足りないのに募集していないのであれば、職員が増える可能性がないからです。

もちろん、会社にも事情はあります。人件費を増やせない、経営が厳しい、採用しても定着しないなど、簡単ではない面もあります。

しかし、現場が休憩も取れず、残業も続き、利用者対応にも無理が出ているのに募集すらしないのであれば、職員側も今後を考える必要があります。

自分が辞めたら残る職員に迷惑がかかると思う気持ちは分かります。ただ、会社が人を増やす動きをしていないなら、負担はこの先も続く可能性があります。

募集していても条件が厳しすぎると人は集まりにくい

会社が募集していても、人が来ない場合があります。その時は、募集条件が現実的かどうかを見る必要があります。

「給与が低すぎる」「勤務条件が厳しい」「求める能力が高すぎる」など、応募する側から見て選びにくい条件になっている可能性があります。

たとえば、送迎もできる、入浴もできる、経験もある、資格もある、すぐに戦力になる人だけを求めていると、採用の幅は狭くなります。もちろん、現場としては何でもできる職員が入ってくれるのが一番ありがたいです。

しかし、本当に人が足りない時には、すべてを満たす人だけを待っていると現場が持たないことがあります。会社が良かれと思って条件を絞っていても、現場から見ると「まずは人を増やしてほしい」という状況もあります。

現場の声で採用の幅が広がることもある

僕が働いていた職場で、女性利用者が多く、同性介助の観点から女性の入浴担当者を求めていた時期がありました。その時は、男性から応募があっても採用に至りにくい状況がありました。

しかし現場から、「入浴は私たちでカバーするから、男性職員でもフロアが厚くなるなら採用してほしい」という声が上がったことがあります。

結果的には入浴介助専任の職員を採用して対応しましたが、このような現場の声は採用側にとって大きいです。

会社側は、送迎ができない人を採用しても意味がないのではないか、入浴ができない人を採用しても現場が困るのではないかと考えることがあります。

しかし現場が「そこはカバーするから、とにかく人員を増やしてほしい」と伝えれば、採用条件を広げられる可能性があります。

これは、会社が現場に向き合ってくれる職場であれば有効な方法です。現場と採用側の考えが一致していない場合は、どの業務で本当に人手が足りていないのか、どの条件なら現場で受け入れられるのかを伝えることが大切です。

処遇改善や手当に会社の姿勢が表れる

人が集まるかどうかは、給与待遇にも関係します。介護の仕事はお金だけではないとはいえ、同じ仕事をするなら少しでも条件の良い職場で働きたいと思うのは自然なことです。

デイサービスは、定員や介護報酬の仕組みがあるため、売上を自由に大きく増やせる仕事ではありません。同じ地域で同じ規模の事業所であれば、基本的な収入には大きな差が出にくい面があります。

だからこそ、処遇改善に関する加算や手当をどう扱っているかに、会社の姿勢が表れます。処遇改善は、職員の待遇に反映するためのものです。

処遇改善の申請や手当の整備に手間を惜しまない会社は、職員の働く条件を少しでも整えようとしている会社だと見ることができます。

もちろん、処遇改善や手当だけで職場の良し悪しが決まるわけではありません。ただ、そこを軽く見ている会社では、人手不足で現場が困っていても、待遇改善や採用条件の見直しが後回しになりやすいです。

人手不足の職場を見る時は、処遇改善や手当にどう向き合っているかも、一つの判断材料になります。

人が足りないのではなく介助量が増えている場合もある

人手不足に見えても、単純に職員数だけの問題ではない場合があります。利用者の介護度が上がり、介助量が増えていることで、同じ職員数でも現場が急に大変になることがあります。

これは現場職員にとってかなり大きな負担です。ただし、会社側から見ると、介護度が一時的に高いからといってすぐ増員できるとは限りません。ここは現場のつらさと運営側の判断がぶつかりやすい部分です。

同じ利用人数でも介護度で負担は大きく変わる

同じ定員18人の地域密着型デイサービスでも、利用者の状態によって現場の負担は大きく変わります。介護度1の方が多い日と、介護度3以上の方が多い日では、必要な介助量がまったく違います。

移乗介助、排泄介助、見守り、歩行時の付き添い、食事介助など、介護度が上がるほど職員の手は必要になります。利用人数が同じでも、介助量が増えれば現場は人手不足のように感じます。

この場合、「職員数が足りない」というより、今の利用者の状態に対して職員数が足りない」という見方になります。現場としては同じようにつらいのですが、会社側に伝える時にはこの違いを整理しておく必要があります。

介護度が高い時期は年単位で続くこともある

通常型のデイサービスでは、利用者が長く通い続けることがあります。良いデイサービスであるほど、利用者や家族が長く利用したいと思うこともあります。

その結果、少しずつ利用者の介護度が上がり、平均介護度も高くなっていくことがあります。新しい介護度の低い利用者が入ってこない限り、全体の介護度は下がりません。

介護度が高くて大変な時期が、数週間ではなく年単位で続くこともあります。昔よりも現場が大変になったと感じる時は、職員数だけでなく利用者層の変化も見ておく必要があります。

一時的な大変さなのか今後も続くのかを見極める

介護度が一時的に高くなったからといって、すぐに職員を増やしてもらうのは難しい場合があります。もし平均介護度が下がった時に、今増やした人員が多すぎる状態になると、会社としては人件費の負担が残るからです。

これは現場からすると厳しい話です。今つらいのだから、今人を増やしてほしいと思うのは当然です。ただ、会社側は今だけでなく、今後の利用者の状態や稼働状況も見て判断します。

だからこそ、今の大変さが一時的なものなのか、今後もしばらく続きそうなのかを見極めることが大切です。介護度が高い状態が続く見込みがあるなら、会社側にその根拠を伝えて増員や業務見直しを相談する必要があります。

介護度が高くて増員してくれる職場は現場理解がある

介護度が上がったことで現場が大変になっている時、人員を増やしてくれる職場は、かなり現場に理解がある職場だと思います。制度上、定員や介護報酬に限界がある中で人件費を増やすのは簡単ではないからです。

一方で、平均介護度がそこまで高くないのに現場が回らない場合は、単純に人員配置や業務の組み方に問題がある可能性もあります。その場合は、現場から改善を求めるのは自然なことです。

大切なのは、感情だけで「人が足りない」と言うのではなく、どの利用者対応にどれだけ手がかかっているのか、どの時間帯にフロアが薄くなるのかを具体的に伝えることです。

現場の大変さを会社に理解してもらうには、状況を具体的に見せる必要があります。

改善が見込めないなら転職を考えてもいい

人手不足でつらい時、まずは今の職場で改善できるかを考えることが大切です。職員同士で状況を共有し、管理者や会社側に伝え、送迎や入浴、書類、採用条件などを見直すことで改善する可能性もあります。

それでも改善が見込めない職場もあります。募集していない、休憩が取れない、残業が続く、現場の声を聞かない。そのような状態が続くなら、自分を守るために転職を考えてもいいと思います。

一人で抱えず職員全体の問題として伝える

人手不足でつらい時は、一人で抱え込まないことが大切です。現場で働いている職員の多くが同じようにつらさを感じている場合があります。

一人が不満を言っている形になると、会社側に軽く受け止められることもあります。しかし、職員全体の問題として伝えれば、会社側も「大したことではない」とは考えにくくなります。

脅すような伝え方をする必要はありません。送迎が回らない、休憩が取れない、入浴介助が偏っている、記録が勤務時間内に終わらないなど、具体的な事実を職員同士で確認した上で伝えることが大切です。

会社が向き合うなら改善を待つ価値はある

会社が募集をしている、現場の声を聞いてくれる、採用条件を見直そうとしている、業務改善を考えている。そのような職場であれば、すぐに辞めるのではなく、少し改善を待つ価値はあります。

人手不足は会社側も悩んでいることが多いです。今すぐ採用できなくても、募集を続けていたり、現場の声を反映して条件を変えようとしていたりするなら、改善の可能性はあります。

今の職場が好きで、利用者との関係もあり、職員同士の関係も悪くないのであれば、まずは改善に向けて話し合ってみることが大切です。会社が向き合ってくれる職場なら、現場の声がきっかけで少しずつ変わることもあります。

改善する気配がない職場では無理を続けない

会社が募集していない、現場の声を聞かない、休憩が取れない状態を放置している、残業が続いても改善しない。このような職場では、無理を続けない方がいいです。

自分が辞めたら残る職員に迷惑がかかると思う気持ちは分かります。介護職員は、利用者や同僚のことを考えて我慢してしまう人が多いです。ただ、自分が体調を崩したり、介護の仕事そのものが嫌になったりするまで働き続ける必要はありません。

改善の見込みがない職場で我慢を続けても、状況が変わらないまま自分だけが疲れていくことがあります。職場を離れる判断は簡単ではありませんが、限界を超える前に考えるべき選択肢です。

デイサービスを続けたいからこそ職場を変える選択もある

人手不足でつらいからといって、デイサービスの仕事そのものが悪いわけではありません。問題は、デイサービスという仕事ではなく、今の職場環境にある場合もあります。

デイサービスは、利用者の在宅生活を支える大切な仕事です。良い職場であれば、利用者との関わりの中でやりがいを感じながら、長く働き続けることもできます。

だからこそ、今の職場で改善が見込めないなら、職場を変えることも前向きな判断です。介護職を続けるために、デイサービスでの仕事を嫌いにならないために、自分に合った職場を選び直すことは悪いことではありません。

人手不足をすべて我慢で乗り切る必要はありません。業界全体の厳しさを理解した上で、自分がこの先も無理なく働ける環境かどうかを見極めることが大切です。長くデイサービスの仕事を続けたいと思うなら、自分の働く環境を守る視点を持ってもいいのです。

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