デイサービスで長く続く人の特徴とは?続けられる人に共通する考え方と職場の選び方【元管理者が解説】

デイサービスで働いてみたいと思っていても、「自分に続けられるのか不安」「長く続く人には何か特別な適性があるのではないか」と感じる人は多いと思います。実際、同じデイサービスでも長く働き続ける人がいる一方で、早い段階で辞めてしまう人がいるのも事実です。

ただ、現場で長く働いてきた感覚として思うのは、長く続く人にはたしかに共通点があるものの、それは生まれつき特別な能力があるという話ではないということです。考え方や仕事との向き合い方、そして何より自分に合う職場を選べているかどうかが大きく関係しています。

この記事では、ここでいう「長く続く」を一つの事業所で長く働き続けるという意味で整理した上で、デイサービスで長く続く人の特徴を現場感のある形で掘り下げていきます。コミュニケーション、メンタル、完璧主義との向き合い方、職場選びまで含めて、実際に長く続いてきた人たちに共通していたものを書いていきます。

目次

デイサービスで長く続く人は人との関わり方がうまい

デイサービスで長く続く人の特徴として、まず大きいのが人との関わり方です。デイサービスは利用者だけ見ていればいい仕事ではありません。利用者本人、家族、職員、時にはケアマネジャーなど、いろいろな人と関わりながら一日が進んでいきます。

そのため、人との関わり合いが上手な人は長く続く傾向があります。ただ、ここでいうコミュニケーション能力は、単純に話がうまいとか、場を盛り上げるのが得意という意味ではありません。相手との距離感をつかめる、必要な場面でしっかり話せる、そして相手の話を聞ける、そういう関わり方ができる人のほうがデイサービスでは続きやすいです。

利用者や家族だけでなく職員との関係づくりも大きい

デイサービスは、利用者との関係だけで成り立つ仕事ではありません。現場では職員同士が協力して利用者を支えるので、仲間との関係性が悪いと、それだけで働きにくさが一気に強くなります。利用者に対しては優しく接することができても、職員との連携がうまくいかないと長く続けるのは難しくなります。

実際、デイサービスではチームで一つの目標に向かって介護しています。一人の利用者に対しても、介護職員だけでなく看護職員、相談員、機能訓練指導員の視点が関わることがあります。その中で、相手の立場を理解しながら動ける人、相手を必要以上に敵にしない人は、結果として職場の中で孤立しにくく、長く続いていく傾向があります。

話し上手より聞ける人のほうが続きやすい

コミュニケーション能力というと、どうしても話し上手な人をイメージしやすいですが、現場で見ていると必ずしもそうではありません。むしろ、相手の話をきちんと聞ける人のほうが長く続いている印象があります。利用者の話を聞く、家族の不安を聞く、職員の言い分を聞く。こういう積み重ねが、働きやすさにつながっていきます。

デイサービスでは、利用者が何を考えているのか、家族が何を心配しているのか、職員が何に困っているのかをつかめないと、どうしてもズレが生まれます。そのズレが増えると人間関係もしんどくなります。逆に、聞くことができる人は大きな衝突を起こしにくく、信頼も積み上がりやすいので、自然と長く続いていきます。

感情を引きずりすぎない人は長く続きやすい

デイサービスで働いていると、気持ちが揺れる場面は少なくありません。利用者の体調の変化に気を使うこともありますし、こちらに悪気がなくても誤解されてしまうこともあります。人と関わる仕事だからこそ、何もかも思い通りに進むわけではありません。

そんな中で長く続く人は、気持ちをまったく動かさない人ではなく、揺れながらも引きずりすぎない人です。落ち込むこと自体が悪いわけではありませんが、一つひとつを深く抱え込みすぎると心が持たなくなります。冷静に受け止めて切り替えられる人のほうが、デイサービスでは消耗しにくいです。

利用者や家族から理不尽に見える反応を受けることもある

高齢者介護の現場では、こちらが一生懸命やっていても、良くないことを言われる場面があります。体調が不安定なこともありますし、認知症による誤解もあります。家族からも、状況によっては厳しい言葉が返ってくることがあります。これはデイサービスに限らず介護ではよくあることですが、デイサービスは人との関わりが多い分、その場面に触れやすいです。

さらに、介護職は利用者と接することだけをしているわけではありません。ほかの利用者対応や業務もある中で、どうしても一人に付ききりになれないことがあります。そういう時に、わがままだと感じるような要求が来たり、片方を優先したことで別の方から不満を言われたりすることもあります。そのたびに大きく落ち込み続けると仕事がかなり苦しくなります。

長く続く人は、そういう場面を軽く見ているわけではありません。ただ、人と関わる以上、どうしても誤解や行き違いは起こるものだと理解していて、必要以上に自分を責めすぎない印象があります。この感覚はかなり大事です。

ヒヤリハットや防ぎきれない出来事にどう向き合うかが分かれ目になる

介護の仕事をしていると、事故はあってはいけないものですし、それを前提に考えるのも良くありません。ただ、どれだけ気をつけていても、防ぎきれない出来事が起きることはあります。事故までいかなくても、ヒヤリハットのようにヒヤッとする場面は一日に何度もあるのが現場です。

そのたびに自分の感情が大きく揺さぶられていると、一日が本当にしんどくなります。長く続く人は、そこで鈍感なのではなく、必要な反省はしながらも、冷静に受け止めて次に生かそうとします。いつまでも引きずるのではなく、前向きに整理して仕事を続けられる心の強さがある人は、やはり長く続きやすいです。

完璧を目指しすぎず周りに頼れる人は無理が少ない

デイサービスで長く続く人には、完璧主義ではないという特徴もあります。もちろん、だからといっていい加減に働くという意味ではありません。ただ、何でも完璧にやろうとすると、介護の仕事はかなり苦しくなります。

介護には正解がないとよく言われますが、実際その通りだと思います。正解がはっきりないものに対して、常に100点を求め続けるのは無理があります。長く続く人は、そのことを感覚的によく分かっていて、自分ができる範囲を理解しながら働いています。

介護は一人で完結させる仕事ではない

介護の現場では、一人ですべてを完璧にこなそうとすると疲れてしまいます。利用者対応、記録、送迎、レクリエーション、職員同士の連携など、一日の中でやることは多くあります。その中で全部を自分一人で背負い込もうとすると、神経をすり減らすだけになります。

長く続く人は、自分の至らない部分を認めることができます。ここまでは難しい、ここは他の職員に助けてもらったほうがいい、そういう判断ができます。逆に、何でも自分で抱え込む人は、真面目で責任感があるのに続かなくなることがあります。だからこそ、頼ることができるかどうかは大きいです。

50点を70点や80点にできるのがチームで働く強み

事業所全体で見ても、毎日100点を目指し続けるのは現実的ではありません。職員それぞれ得意不得意がありますし、その日の状況によっても違います。自分が50点ぐらいしか出せない日でも、周りの職員に支えられて70点、80点の一日にできることは多々あります。

これがデイサービスの現場の強みです。一人で全部を完璧にこなすことを目指すより、必要な場面で頼り、必要な場面で支える。その感覚を持っている人のほうが、無理をせず続けられます。長く続く人は、自分だけで仕事を成立させようとはしていません。

小さな良い出来事を素直に喜べる人は前向きに働ける

デイサービスの仕事は、決して穏やかなことばかりではありません。むしろ一日の中で、いろいろなことが起こります。ヒヤリとする場面があったり、大変な利用者対応があったり、気疲れすることも多いです。だからこそ、悪いことだけに意識が向いてしまうと長くは続きません。

その一方で、デイサービスには小さな良い出来事もたくさんあります。感謝の言葉をもらうこともありますし、うまくいかなかった対応がうまくいく日もあります。レクリエーションで喜んでもらえることもあります。そういうプラスを素直に喜べる人は、仕事の意味を感じながら続けていきやすいです。

何事もない一日が少ない仕事だからこそ見方が大事

休みの日に「今日は何事もなかった」と感じることはあっても、デイサービスで働いている時間の中で本当に何事もない日はほとんどありません。何かしらヒヤリとすることがあり、何かしら気を使うことがあります。そういう仕事だからこそ、ネガティブな出来事だけを見ていると、毎日がつらいものになります。

長く続く人は、もちろん大変なこともちゃんと見ていますが、それだけで一日を判断しません。悪いことがあった日でも、その中にあった良かったことも受け取っています。この見方の違いはかなり大きいです。現場で続く人は、気合いや根性だけで続いているのではなく、日々の受け止め方が違います。

感謝や成功体験を力に変えられる人は続きやすい

利用者からありがとうと言われる、いつもうまくいかなかった対応が今日はうまくいく、レクリエーションで笑顔が見られる。そういう一つひとつの出来事に喜びを感じられる人は、デイサービスで長く続きやすいです。

実際、デイサービスは大変なことも多いですが、その分、目の前で反応が返ってきやすい仕事でもあります。その小さなプラスを無視せず、素直にうれしいと思える人は、仕事の中にやりがいを見つけやすいです。逆に、嫌なことだけを覚えていると、どうしても心が持ちません。

オンとオフを切り替えられる人は心も体も持ちやすい

よく言われることですが、オンとオフの切り替えができる人もデイサービスでは長く続きやすいです。これは単に趣味があるとか、休みの日に遊べるという意味だけではありません。仕事の中で起きたことを必要以上に引きずらず、休む時はきちんと休めるということです。

デイサービスは利用者に寄り添う仕事なので、仕事が終わったあとも気持ちが残りやすいです。そこを切り替えられないと、休みの日まで心が休まりません。長く続く人は、この切り替えの大切さをよく分かっています。

休みの日まで利用者のことを抱え込みすぎない

たとえば、利用者の体調が少し優れなかった日があると、気にする人は次の日になっても「あの人は大丈夫だったかな」と考えています。これは気にしすぎだと簡単に片づけられるものではなく、実際、多かれ少なかれそういう感情は出てきます。それだけ利用者に寄り添っている仕事だからです。

ただ、ずっと考え続けてしまうと、自分の休みが休みではなくなります。他の仕事のように、仕事が終わればその日の作業も終わりという感覚になりにくいのがデイサービスです。だからこそ、休みの日は意識して切り替えることが必要です。少しの失敗や気がかりを引きずりすぎず、自分の心を休ませることが長く続ける秘訣になります。

私生活の充実と体のケアが結果的に仕事を支える

オンとオフの切り替えは、私生活を充実させるという意味でも大事です。休みの日に思い切り気分転換できる人は、それだけ仕事の時に余裕を持ちやすくなります。デイサービスは施設介護より体の負担が軽いと言われることもありますが、体を使う仕事であることには変わりません。腰痛に悩む職員もいます。

休みの日にしっかり体を休める、必要なケアをする、自分自身を大事にする。こういうことができる人は結果的に長く続きます。利用者を大事にする仕事だからこそ、自分を大事にする感覚も必要です。そこができないと、心も体も先に疲れてしまいます。

これまで長く働いた経験がある人は安定しやすい傾向がある

これはデイサービスだけの話ではありませんが、今まで他の仕事も長く続いている人は、デイサービスでも長く続く傾向があります。一見当たり前のようですが、実際にはかなり重要なことだと思っています。過去に働き続けてきた経験がある人は、仕事を継続する力そのものを持っていることが多いからです。

ただし、ここは誤解しないでほしい部分でもあります。過去に仕事が続かなかったからといって、デイサービスも続かないとは一概に言えません。現場を見てきた立場からすると、この点はかなり強く言いたいところです。

他職種で長く働けた人は介護でも続きやすい

僕が採用してきた中で言うと、過去の仕事を長く勤めていた職員に関しては、早期に辞めてしまったスタッフは一人もいませんでした。もちろん、たまたま僕の環境がそうだった可能性はありますが、少なくとも「他の仕事でも長く続けた人は、介護でも長く続く」というのは十分成り立つと感じています。

それは、介護が特殊な技術職で、限られた人だけに向いている仕事だからではありません。むしろ、やる気があり、一生懸命に取り組める人なら続けやすい仕事だと僕は思っています。デイサービスは周りでサポートしてくれるスタッフが何人もいるので、技術が追いつかなくても気持ちがあれば続けられる仕事だと思っています。

ただし過去に仕事が続かなかった人でも介護が天職になることはある

実際、僕自身は今まで介護職以外で三年以上続いた仕事がありません。恥ずかしながら一年続かなかった会社もあります。それでも介護の仕事は十年以上やっても辞めたいと思ったことは一度もありませんでした。介護の仕事をやるまで、自分にこんなに合う仕事があるとは思っていませんでした。

同じように、「まさか自分の天職が介護だったなんて」というスタッフを何人も見てきました。だから、他の仕事が合わないから介護も合わない、という考え方は違うと思っています。営業で数字が出ない、デスクワークが苦手、そういう理由で仕事が続かなかった人でも、介護では続くことがあります。やる気があって、一生懸命やる人を周りが支えられるのがデイサービスの現場です。そういう意味で、過去の職歴だけで向き不向きを決める必要はありません。

困っている人を支えたい気持ちがある人はデイサービスに向いている

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、やはり困っている人を助けたい気持ちがある人はデイサービスで長く続きやすいです。そして、そのことに幸せを感じられる人はさらに強いです。これは介護職全体に言えることでもありますが、デイサービスにはデイサービスならではの特徴があります。

それは、利用者本人だけでなく家族とも接する機会が多いことです。そこにやりがいを感じられるかどうかは、長く続けるうえでかなり大きいです。

利用者本人の反応だけでは測れないやりがいがある

利用者を助けたいという気持ちは、施設入所でもデイサービスでも大切です。ただ、デイサービスの場合は、利用者本人が必ずしも喜んでくれるとは限りません。認知症などで「行きたくない」と言う方もいますし、昔ながらの感覚で介護を受けることを恥ずかしいと感じる方もいます。「迷惑をかけるくらいなら自分なんてどうでもいい」と思っている方もいます。

現場で介護していると、一生懸命楽しませよう、レクリエーションで盛り上げようと思ってやっていても、「本当にこの人にとってデイサービスに来ることが幸せなんだろうか」と感じることがあります。だから、利用者本人のその場の反応だけで仕事の価値を測ってしまうと、苦しくなることがあります。

家族からの感謝が続ける力になることは多い

その一方で、家族は助かっているし喜んでくれていることが多いです。感謝の言葉を直接もらえる場面もあります。これはデイサービスの大きな特徴で、家族との接点があるからこそ、その声がそのまま届きます。

家族から「本当に助かっています」と言われると、それだけで頑張れる職員は多いです。人の感謝に誠意をもって応えたい、その気持ちを原動力にできる人は、デイサービスで長く続いていきます。大変なことがあっても、支えになっている実感があるからです。

長く続くかどうかを一番左右するのは職場との相性

ここまで、コミュニケーション、メンタル、完璧主義との向き合い方、オンとオフの切り替えなどを書いてきました。どれも大事ですし、実際に長く続く人には共通しています。ただ、それ以上に大きいと感じているのが、職場との相性です。

結局、長く続くかどうかを一番左右するのは、自分に合う職場を選べているかどうかです。ここが合っていないと、どれだけ頑張っても続かないことがあります。逆に、職場が合っていれば、多少不器用でも長く続けられることがあります。

見学してから入る人は自分に合う職場を選びやすい

この特徴は少し角度が違う話に見えるかもしれませんが、面接を受ける前に見学をしている人は長く続く傾向があります。見学をした人は、職場の雰囲気を見た上で自分に合うかどうかを考えてから入るので、ミスマッチが起きにくいからです。

デイサービスは同じように見えても、職場ごとにかなり違います。若い職員が多いところ、年齢層が高めのところ、男性が多いところ、女性が多いところ、パートが多いところ、正社員が多いところ、本当にさまざまです。人間関係の空気感も違います。僕が経営に関わっていた中でも、見学をしてからそのまま面接、採用になった方は長く続く傾向がありました。

長く続ける秘訣は自分を無理に変えることではなく職場選びにある

コミュニケーション能力に自信がない人もいると思いますし、精神的にそこまで強くないと感じる人もいると思います。でも、それは働きながら少しずつ身につけていける部分でもあります。完璧主義な人も、仕事を続ける中で少しずつ力の抜き方を覚えていくことがあります。

ただ、一番最初の段階で誰でもできる大事な行動が、見学をして自分に合う職場を探すことです。長く続かない人は、コミュニケーション能力がないから、メンタルが弱いから、オンとオフの切り替えができないから、それだけで決まるわけではありません。実際には、その職場が合わなかったという理由がかなり大きいと僕は思っています。

だから、介護が向いていないと決めつける前に、今の職場が自分に合っているかを見たほうがいいです。長く続くために必要なのは、無理に自分を変えて職場に合わせることではありません。肩の力を抜いて、ありのままの自分で働ける職場を見つけることです。それができれば、デイサービスは長く続けられる仕事だと僕は思っています。

この記事を書いた人

デイサービス歴15年。現場から経営・採用まで幅広く経験してきました!
100名以上の面接実績を活かし、現場の本音や転職に役立つ知見を発信中。
「チームで支える介護」の魅力を広め、皆さんの心強い味方を目指します!

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