デイサービスの仕事の中で特徴的なものといえば、やはりレクリエーションです。ただ、レクリエーションと聞くと単なる遊びの時間のように思われがちですが、実際の現場ではもう少し意味のある役割を持っています。
ざっくり言うと、デイサービスのレクリエーションは楽しみながら心身の機能を維持していくためのものです。ただしその中身は一つではなく、身体を動かすものから頭を使うものまで幅広くあります。ここでは現場で行われているレクリエーションについて、一つずつ整理していきます。
デイサービスのレクリエーションとはどんなものか
遊びではなく意味のある活動
レクリエーションは単なるお遊びではありません。認知機能の維持向上や身体機能の維持向上、心身のリフレッシュを目的とした活動です。
実際の現場でも、機能訓練体操やリハビリだけでは「つまらない」と感じてしまい、参加意欲が下がることがあります。楽しさがなければ続かないというのは、高齢者でも同じです。
楽しさと機能維持を両立する役割
レクリエーションには、楽しみながら取り組めるという大きな意味があります。ゲームをクリアする達成感や、人と関わることで得られる充実感が、生きがいややりがいにつながることもあります。
また、利用者同士の交流の場にもなり、社会的なつながりを保つ役割もあります。生活の質を上げるために欠かせない時間と言えます。
デイサービスで行われるレクリエーションの種類
身体を動かすレクリエーション
身体を動かすレクリエーションは、比較的多くの利用者が参加しやすく、現場でも定番になりやすいものです。体操もやり方によってはレクリエーションとして行われます。
代表的なものとしては以下のようなものがあります。
- ・風船バレー
- ・タオルを使った綱引きや体操
- ・ペットボトルボーリング
- ・後出しジャンケン
- ・グーチョキパー体操
- ・お手玉やうちわを使ったゲーム
また、外出レクリエーションとして散歩やお花見、紅葉狩りなども行われます。これらは身体機能の維持だけでなく、気分転換にもつながります。
頭を使うレクリエーション
認知機能を刺激するレクリエーションも重要な役割を持っています。身体的な負担が少ないため、幅広い利用者が参加しやすいのが特徴です。
具体的には以下のようなものがあります。
- ・クイズやなぞなぞ
- ・しりとり
- ・ジェスチャーゲーム
- ・パズル
楽しみながら自然に頭を使うことで、無理なく認知機能の維持につながります。
手先や生活に関わるレクリエーション
手先を使う作業や生活に近い活動もレクリエーションとして行われています。日常生活に近い動きが多く、継続しやすいのが特徴です。
具体例としては以下の通りです。
- ・塗り絵(大人の塗り絵含む)
- ・ちぎり絵や工作
- ・簡単なおやつ作りや調理
- ・歌や合唱
- ・リズムに合わせた体操や動き
こうした活動は、身体機能だけでなく気持ちの面でも良い影響があります。
現場で定番になるレクリエーションの特徴
風船バレーが定番になる理由
私が勤めていたデイサービスでは、風船バレーが定番のレクリエーションでした。利用者も楽しみにしており、非常に盛り上がるレクリエーションの一つです。
この風船バレーの良いところは、椅子に座ったままでも参加できる点です。車いすの方でも無理なく参加できるため、幅広い利用者に対応できます。また、全員で輪になって行うため一体感が生まれやすく、自然と場が盛り上がります。
さらに職員側の視点で見ると、一人の職員が中心になって見て、補助で数名いれば対応できるという点も大きなメリットです。他の職員が別の業務に回れるため、業務効率の面でも優れています。
定番レクリエーションが強い理由
レクリエーションは新しいものを取り入れようと考えがちですが、実際には新しいものはなかなか定着しません。レクリエーションの雑誌などを参考にして導入しても、一度きりで終わることも多いです。
その点、風船バレーのような定番は長く続いているだけの理由があります。誰でも参加しやすく、分かりやすく、盛り上がりやすいという条件を満たしています。
結果として、新しいものを探し続けるよりも、定番の中で工夫していく方が、利用者にとっても職員にとっても安定したレクリエーションになります。
現場で感じるレクリエーションの難しさ
実際に起きた事故の例
レクリエーションは体を動かす活動も多いため、事故のリスクがあります。実際に私が働いていたデイサービスでは、風船バレーで盛り上がりすぎて椅子から滑り落ちて転倒する事故がありました。
楽しさの中でも安全管理は欠かせません。
全員が楽しめるレクは限られている
利用者ごとに身体能力や認知機能が違うため、全員が同じように楽しめるレクリエーションは限られています。
そのため、誰でも参加できるレクリエーションはどうしても限られてきます。
職員配置と業務負担の問題
レクリエーションは内容によっては職員配置にも大きく影響します。個別レクリエーションやグループ分けをすると、それぞれに職員を配置する必要があり、レクリエーションだけで手が取られてしまうこともあります。
その点、一つのレクリエーションで多くの利用者を見られるものは、現場としては非常に助かります。職員数が限られている中では、この視点も重要になります。
参加したくない利用者への対応
中にはレクリエーションに積極的でない利用者もいます。無理に参加させてしまうと、デイサービス自体が嫌になってしまうこともあります。
そのため、無理に参加させるのではなく、その人に合った距離感で関わることが大切です。そんな時には気分転換に外出レクが良いかもしれません。
外出レクリエーションの価値と現実
外出レクは満足度が高い理由
外出レクリエーションは利用者の満足度が非常に高い活動です。公園への散歩やお花見だけでなく、近くの公民館に行くこともあり、日常とは違う刺激になります。
特に外に出ること自体が気分転換になり、楽しみにしている利用者も多くいます。
感染症による制限と現場の工夫
一方で、コロナウイルス感染症の流行時には外出レクリエーションができない状況もありました。また、インフルエンザなどの感染症が流行する時期も制限されることがあります。
だからこそ、外出レクリエーションができる環境にある場合は、その機会を大切にすることが重要です。普段できない体験ができるという点で、利用者にとって価値の高い時間になります。
レクリエーションはデイサービスの中心業務
一日の中で大きな時間を占める
デイサービスでは、レクリエーションは一日の中でも大きな時間を占める活動です。デイサービスといえばレクリエーションと言われるほど重要な位置づけになります。
そのため、職員は日々のレクリエーション内容を考え、利用者が楽しめる時間を作る必要があります。
事業所ごとの特徴が出る部分
レクリエーションの内容や進め方は事業所ごとに大きく異なります。この部分がそのまま事業所の特徴や強みになります。
実際に利用者の中には、レクリエーションを楽しみに通っている方も多く、満足度に直結する重要なポイントです。
関わり方で満足度は大きく変わる
レクリエーションは内容だけでなく、職員の関わり方によって満足度が大きく変わります。誘い方や声かけ、進め方ひとつで、利用者の反応は大きく異なります。
ただ、難しく考えすぎる必要はありません。大切なのは、利用者に「楽しかった」と感じてもらえる時間をつくれるかどうか、それがレクリエーションの本質です。
体を動かすことや認知機能の維持も、もちろん重要ですが、それも楽しさがあってこそ続いていくものです。だからこそ、まずは自分自身が楽しむくらいの気持ちで臨むことが、レクリエーションにおける大切な心構えのひとつといえます。