デイサービスで働こうと考えたときに、「介護は離職率が高いのではないか」「すぐ辞める人が多い仕事なのではないか」と不安になる人は多いと思います。
介護業界には、きつい、給料が低い、人間関係が大変、長く続かないというイメージがあります。特にこれからデイサービスで働こうとしている人にとって、離職率が高いかどうかは気になるところだと思います。
ただ、データと現場の感覚を合わせて見ると、デイサービスや介護職の離職率は、単純に「高い」と言い切れるものではありません。むしろ、数字だけを見ると全産業平均より低い水準にあります。
その一方で、入ってすぐに辞める人がいるのも事実です。長く働く人が多い職場もあれば、職員の入れ替わりが激しい職場もあります。この記事では、介護職の離職率のデータと、デイサービス現場で見てきた辞める理由をもとに、これから働く人が何を見ればいいのかを考えていきます。
参考:公益財団法人介護労働安定センター。
令和4年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書
令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について
デイサービスの離職率は本当に高いのか
デイサービスや介護業界は、世間的には「離職率が高い仕事」と見られがちです。確かに、現場では辞める人を見ることもありますし、いつも求人を出している事業所を見かけることもあります。
ただし、実際のデータを見ると、介護職全体が極端に辞めやすい仕事だとは言い切れません。まずは、イメージと数字のズレを見ておく必要があります。
介護職の離職率は全産業平均より低い
介護職の離職率は、全産業平均と比べると高いどころか、やや低い水準になっています。厚労省の雇用動向調査では、令和5年の全産業平均の離職率は15.4%とされています。
それに対して、介護職の離職率はおおよそ12%から14%台で推移しています。つまり、「介護職は他の仕事より明らかに辞める人が多い」と見るのは、少なくともデータ上は正確ではありません。
もちろん、デイサービスだけを見れば職場ごとの差はあります。ただ、介護業界全体をひとまとめにして「離職率が高い業界」と決めつけるのは、今の実態とは少し違うと感じます。
近年は介護職の離職率も下がっている
介護職の離職率は、近年下がっている傾向もあります。令和4年度は14.4%、令和5年度は13.1%、令和6年度は12.4%と、2年連続で低下しています。
この数字だけを見ると、介護職はむしろ以前よりも定着しやすくなっているとも言えます。処遇改善などで賃金の下支えが進んだことや、事業所側も人材確保のために職場環境を見直すようになってきたことが影響している可能性はあります。
ただし、現場にいる感覚としては、数字が下がっているからすべての職場が働きやすくなったとは言えません。良い職場は長く続く人が多く、悪い職場はすぐ辞める人が出る。この差が大きいのが介護職の特徴だと思います。
それでも「辞める人が多い」と感じられる理由
介護職の離職率が全産業平均より低いとしても、「辞める人が多い」と感じる場面はあります。特にデイサービスでは、入社してすぐ辞める人がいると、その印象が強く残ります。
また、介護職は転職しながら経験を広げる人もいます。デイサービスから入所施設へ行く人、訪問介護へ移る人、介護福祉士を取って次の職場に進む人もいます。こうした動きも、外から見ると「介護は辞める人が多い」と見える原因になると思います。
つまり、離職には悪い離職だけではなく、ステップアップや職場変更も含まれます。ここを分けて見ないと、介護職の離職率を正しく理解しにくくなります。
介護職を辞める理由は人間関係なのか
介護職を辞める理由として、統計上よく出てくるのが「職場の人間関係」です。直前の仕事が介護関係だった人の離職理由でも、人間関係に問題があったためという回答が上位に出ています。
ただ、現場を見てきた立場からすると、これをそのまま「介護職は人間関係が悪いから辞める人が多い」と単純に受け取るのは違うと感じます。人間関係は確かに大きいですが、それだけでは説明できないことも多いです。
人間関係の影響はかなり大きい
デイサービスはチームで動く仕事です。介護職員だけでなく、看護職員、機能訓練指導員、生活相談員、管理者、送迎職員などが関わります。利用者対応も、入浴も、送迎も、レクリエーションも、職員同士の連携がうまくいかないと現場は回りません。
そのため、人間関係が悪いと働きづらくなるのは当然です。誰か一人の負担が大きくなる、意見を言いづらい、忙しいときに助け合えない、そういう状態が続けば辞めたいと思う人が出ても不思議ではありません。
僕自身も、現場で人間関係が原因で職員が疲れていく場面は見てきました。デイサービスは人と人との距離が近い仕事だからこそ、人間関係の影響はかなり大きいです。
「他に良い職場があった」は単独の理由とは言い切れない
離職理由の中には、「他に良い仕事・職場があったため」という項目もあります。これも上位に入る理由ですが、僕はこれを単独の理由として見るのは少し違うと思っています。
他に良い職場があったということは、裏を返せば、今の職場より良いと感じた理由があるということです。人間関係が今より良さそうだったのか、給与が高かったのか、休みが取りやすかったのか、運営方針に納得できたのか。その中身を見ないと、本当の理由は分かりません。
つまり、「他に良い職場があった」は結果に近い理由です。今の職場に何らかの不満や限界があり、その比較として他の職場が良く見えたという流れで考える方が、現場感覚には近いと思います。
収入への不満は辞める理由にならなくても常に意識されている
収入が少なかったためという理由も、介護職の離職理由に入っています。ただし、この数字の見方にも注意が必要です。直前の仕事が介護関係だった人の回答であれば、介護職の収入が低いと分かっていても、また介護職に就いている人も含まれます。
介護職は収入だけで選ぶ仕事ではないと思って働いている人も多いです。利用者との関わり、やりがい、生活を支える仕事としての意味を感じて続けている人もいます。
しかし、収入を気にしていないわけではありません。現場では求人広告を見て「あそこはいくら」「こっちの方が高い」という話がよく出ます。今すぐ辞めるつもりがなくても、給料は常に気になるものです。実際に、毎週のように求人を見ている職員もいました。
会社の理念や運営方針への不満で辞める人もいる
介護職の離職理由では、「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため」という理由も上位に入ります。
これは人間関係のように分かりやすい理由ではありませんが、現場では実際に起こります。介護の仕事は、利用者の生活を支える仕事です。そのため、会社の方針と現場職員の思いが大きくずれると、「ここでは働けない」と感じる人が出てくることがあります。
現場職員は会社の方針や運営姿勢を意外と見ている
現場職員は、日々の業務に追われています。そのため、会社の経営方針や運営の考え方には、あまり関心がないように見えるかもしれません。
しかし実際には、職員は会社の姿勢をよく見ています。人員配置に無理がないか、職員を大切にしているか、利用者対応を本気で考えているか、利益ばかりを優先していないか。そうした部分は、日々の現場に出ます。
デイサービスでは、職員が利用者や家族と近い距離で関わります。だからこそ、会社の方針と自分の介護観が大きくずれると、日々の仕事に納得しにくくなります。
もちろん、すべての職員が会社の方針に完全に納得することは難しいです。ただ、現場職員が「この会社は何を大切にしているのか分からない」と感じる状態が続くと、それは人間関係とは別の離職理由になります。
利益優先に見えたことで早期退職につながった職員がいた
実際に、入社してまだ間もない職員が会議に参加したときのことです。その会議の中で、会社が利益を優先しているように受け取れる話が出ました。
会社側としては、経営を続けるために必要な話だったのかもしれません。介護事業も運営である以上、利益を無視して続けることはできません。
ただ、その職員には「この会社は利用者より利益を優先している」と見えてしまいました。そして、この会社では働けないと感じ、早期退職につながりました。
会社運営はきれいごとだけでは続きません。ただし、その伝え方や見せ方を間違えると、現場職員には「利用者や職員より利益が優先されている」と受け取られることがあります。
勤務先の理念や運営方針への不満は、外からは見えにくい離職理由です。しかし現場では、人間関係とは別に、職員がその職場で働き続けるかどうかを左右する大きな要素になります。
デイサービスで辞めやすいのは入社してすぐの時期
デイサービスに限らず、介護職では入社してから早い時期に辞める人が目立ちます。長く働く人は本当に長く働きますが、合わない人はかなり早い段階で辞めてしまいます。
これは、介護職そのものが合わない場合もありますし、そのデイサービスの雰囲気や仕事内容が合わない場合もあります。入社前のイメージと実際の仕事に差があると、早期離職につながりやすくなります。
1年未満で辞める人が多いという統計
介護職の離職者を見ると、1年未満で辞める人の割合が高いとされています。1年未満で離職する人が約34.4%、1年以上3年未満が約25.5%で、3年未満の合計が約60%という数字もあります。
この数字を見ると、介護職は入ってから最初の数年が大きな分かれ目になる仕事だと分かります。特に1年未満で辞める人が多いということは、入社前の理解と入社後の現実にズレがある人が少なくないということです。
これからデイサービスで働く人は、なんとなく働きやすそう、夜勤がないから楽そう、というイメージだけで選ぶと、入ってから違和感が大きくなることがあります。
現場では3か月以内に辞める人も少なくなかった
僕が見てきたデイサービスでも、1年未満どころか、3か月以内に辞める人は少なくありませんでした。早い人では1か月も続かないこともありました。
試用期間が3か月だったことも関係していると思います。3か月働いてみて、「やはり自分には向いていない」と判断する人がいました。仕事の内容、人間関係、利用者対応など、実際に働いてみて初めて分かる負担があります。
もちろん、早く辞める人を責める話ではありません。合わない職場で無理に続ける方がつらくなることもあります。ただ、入社してすぐに辞める人がいるという現実は、これから働く人にも知っておいてほしい部分です。
入社前の見極め不足が早期離職につながる
早期離職の原因には、入社前の見極め不足があります。デイサービスといっても、事業所ごとに雰囲気も仕事内容もかなり違います。
機能訓練に力を入れているところもあれば、入浴に力を入れているところもあります。レクリエーション中心のところもあれば、送迎範囲が広く、運転の負担が大きいところもあります。同じデイサービスという名前でも、中身は同じではありません。
だからこそ、入社前に見学できるなら見学する。面接で送迎やレクリエーション、職員体制、教育体制を確認する。こうした確認をしないまま入ると、入社後に「思っていた仕事と違う」となりやすいです。
デイサービス特有の離職につながる理由
デイサービスは夜勤がないため、施設系の介護職より働きやすいと思われることがあります。確かに、生活リズムを整えやすいという意味では大きなメリットがあります。
ただ、デイサービスにはデイサービス特有の大変さがあります。その部分を知らずに入ると、離職につながることがあります。
送迎業務やレクリエーションが負担になることがある
デイサービスで特徴的なのが送迎業務です。利用者の自宅まで迎えに行き、帰りも送り届けます。道を覚える、時間を守る、家族と対応する、乗降時の安全を見るなど、送迎は思っている以上に負担があります。
また、レクリエーションもデイサービスでは大きな仕事です。人前で話すことが苦手な人、場を盛り上げることが苦手な人にとっては、介護技術とは別の負担になります。
入浴介助や排泄介助だけでなく、送迎やレクリエーションも含めてデイサービスの仕事です。ここを知らずに入ると、「夜勤がないから楽だと思っていたのに違った」と感じることがあります。
未経験者の入口だからミスマッチも起きやすい
デイサービスは、未経験者が介護職に入る入口になりやすい仕事です。夜勤がないことや、施設系より身体的負担が少なそうに見えることもあり、初めて介護職を選ぶ人が来ることも多いです。
入口になりやすいからこそ、介護職そのものが合わないと気づく場面も出てきます。利用者との関わり、認知症の方への対応、排泄や入浴の介助など、実際に働いてみないと分からないことがあります。
その結果、早い段階で「自分には介護職は合わない」と感じる人もいます。これはデイサービスが悪いというより、入る前のイメージと現場の仕事に差があったということです。
介護職の転職は必ずしも悪い離職とは限らない
介護職の離職率を見るときに、僕は「辞めること自体が悪い」とは思っていません。もちろん、職場環境が悪くて辞める人がいるのは問題です。
ただ、介護職には、職場を変えながら経験を広げるという面もあります。特に若い人や未経験から入った人にとって、転職が成長につながることもあります。
介護福祉士取得の3年が一つの区切りになる
介護職には、介護福祉士という国家資格があります。原則として実務経験3年が必要になるため、この3年が一つの区切りになる人もいます。
3年続けて介護福祉士を取ると、「ここまで頑張ったから次の現場も経験してみよう」と考える人が出てきます。逆に、これからも介護職を続けていくつもりだからこそ、介護福祉士を取る人もいます。
その意味では、3年未満で辞める人が多いことをすべて悪く見る必要はありません。3年を超えて資格を取り、次のステップに進む退職もあります。
面接で若い未経験者に伝えていたこと
僕は、若い未経験者がデイサービスの面接に来たとき、よく「もしこれから先も介護職を一生続けたいなら、うちで採用されても3年頑張ったら他の介護現場も経験してみるといい」と伝えていました。
面接でそんなことを言うものではないと、職員から怒られたこともあります。ただ、ベテラン職員や介護福祉士の資格を持っている職員に意見を聞くと、その内容自体には賛成する人が多かったです。
介護の仕事は、デイサービスだけではありません。入所施設もあれば訪問介護もあります。デイサービスの中にも、機能訓練型、入浴に力を入れる事業所、レクリエーション色の強い事業所、お泊まりデイサービスなど、さまざまな形があります。
ステップアップのための退職も介護職では珍しくない
実際に、面接で僕が「3年頑張ったら他の介護現場も経験してみるといい」と伝えた職員が、3年後に退職を申し出たことがありました。理由を聞くと、「面接のときに、3年経ったら他の職場で介護を学んだ方がいいと言っていました」と言われました。
その職員は、退職を申し出た時期に介護福祉士の資格も取得しました。3年間しっかり働き、資格も取ったうえで次の現場に進むということだったので、僕は前向きなステップとして送り出しました。
採用する立場からすれば極端に見えるかもしれませんが、介護職には、転職しながら経験を広げて成長していく面もあると思っています。
デイサービスを運営している会社が、同じ法人内で特養や訪問介護、居宅介護支援事業所まで運営していることはなかなかありません。会社の規模や事業形態によっては、社内で次の経験を積むことが難しい場合もあります。だからこそ、転職がステップアップになることがあります。
デイサービスの離職率は事業所によって差が大きい
介護職全体の離職率を見ることも大切ですが、実際に働く人にとって重要なのは、自分が入る事業所がどうかです。同じデイサービスでも、職員が長く続く職場もあれば、入れ替わりが多い職場もあります。
つまり、デイサービスの離職率は「高い」「低い」と一言で決めるよりも、事業所によって差が大きいと見た方が現実に近いです。
離職率が高い事業所も存在する
事業所単位で見ると、離職率30%以上の事業所や、50%以上、さらには100%以上の事業所もあります。割合としては多くなくても、職員の入れ替わりがかなり激しい職場が存在することは事実です。
離職率100%以上というのは、例えば1年前に10人いた職場で、この1年間に10人以上辞めているような状態です。こうした職場の印象が強くなると、「介護職はすぐ辞める」「デイサービスは人が定着しない」と見られやすくなります。
ただし、それはデイサービス全体の姿ではありません。一部の離職率が高い事業所の印象だけで、介護職全体を「離職率が高い仕事」と見るのは違うと思います。
離職率が低い事業所は実際に多い
一方で、離職率10%未満の事業所は半数以上あります。10%未満ということは、例えば1年前に10人いた職場で、1年間に1人も辞めていないような状態です。
こう見ると、介護職はどこも人がすぐ辞めているわけではありません。実際には、職員が長く働いている事業所も多くあります。
僕自身も、介護業界に入る前の職歴では一番長く勤めた会社が3年でしたが、介護職員としては15年働くことができています。環境が合えば、介護職は長く続けられる仕事です。
離職率が低い職場には共通する職場環境がある
離職率が低い事業所には、職員が続きやすい職場環境があります。令和6年度の「介護労働実態調査」にある職員の定着に効果があった取り組みを見ると、特に大きいのは次の3つです。
1位:有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり
デイサービスは日中だけの勤務ですが、家庭の用事や体調不良で休みや勤務変更が必要になることはあります。そのときに相談しやすい職場かどうかは、職員が長く働くうえで大きな違いになります。
2位:人間関係が良好な職場づくり
デイサービスは、職員同士で協力しながら進める仕事です。そのため、人間関係が悪いと気持ちの問題だけでなく、業務そのものが回りにくくなります。忙しいときに声をかけ合える職場、負担が一人に偏らない職場であれば、毎日の仕事の負担はかなり変わります。
3位:賃金水準の向上
賃金水準の向上も、職員の定着に関わります。給与や手当などの待遇が改善されることは、長く働く理由の一つになります。介護職は給料だけで決める仕事ではないですが、処遇改善に向き合う職場かどうかは働く意欲につながります。
この3つを見ると、離職率が低い職場は、単に人が辞めていないのではなく、職員が働き続けやすい環境を作れていることが分かります。
離職を防ぐために事業所ができること
離職を防ぐためには、働く側の努力だけでは限界があります。特にデイサービスでは、人手不足になると現場の負担が一気に増えます。
だからこそ、事業所側が職員を定着させるための環境を作ることが必要です。前の見出しで触れたように、休みやすさ、人間関係、賃金面は職員の定着に大きく関わります。そのうえで、入社直後のフォローや教育体制も欠かせません。
休みや勤務変更を相談しやすい体制を作る
職員が長く働くためには、休みや勤務変更を相談しやすい体制が必要です。デイサービスは日中の仕事が中心ですが、職員にも家庭の事情、体調不良、子どもの行事などがあります。
休みを取るたびに嫌な顔をされる職場では、無理が積み重なります。反対に、勤務変更を相談しやすく、職員同士で助け合える職場であれば、多少忙しい時期があっても続けやすくなります。
もちろん、人員に余裕がなければ簡単ではありません。ただ、休みづらさを放置すると、結果的に職員が辞めてしまい、さらに現場が苦しくなります。
入社直後のフォローと教育体制を整える
入社1年未満の離職が多いことを考えると、入社直後のフォローはかなり重要です。特に未経験者は、何が分からないのかも分からない状態で現場に入ります。
最初から即戦力のように扱われたり、忙しいからと十分に教えられなかったりすると、不安が大きくなります。その結果、「自分には向いていない」と早く判断してしまうことがあります。
教育体制がある職場では、最初の不安を減らせます。誰に聞けばいいのか、どこまでできればいいのか、どの業務から覚えるのかが分かるだけでも、働く側の安心感は変わります。
人間関係が悪化しにくい現場を作る
人間関係は、職員同士の相性だけで決まるものではありません。現場が常に人手不足で、余裕がない状態が続けば、職員同士の関係も悪くなりやすいです。
忙しすぎる職場では、声をかけ合う余裕がなくなります。誰かに負担が偏ったり、教える時間が取れなかったりすると、不満も出やすくなります。
事業所としては、現場任せにするのではなく、業務量や人員配置、教育の進め方を見直す必要があります。人間関係の問題に見えても、実際には職場の回し方が原因になっていることもあります。
賃金改善と処遇改善加算の活用も欠かせない
離職を防ぐうえで、賃金の問題も避けられません。介護職はやりがいだけで続けられる仕事ではありません。生活がある以上、給与は大切です。
介護報酬は基本的に制度で決まるため、事業所の努力だけで大きく増やすことは難しいです。ただし、処遇改善加算など、事業所が整備して申請すれば職員に還元できるものもあります。
法人や事業所ができることには限界があります。それでも、取れる加算をきちんと取り、職員に還元する姿勢があるかどうかは大きいです。賃金改善に向き合っている職場かどうかは、職員の定着にも影響します。
離職率の数字より自分に合う職場かを見極めることが大切
デイサービスや介護職は、データ上は極端に離職率が高い仕事ではありません。むしろ全産業平均より低く、近年は離職率も下がっています。
だから安心してどの職場でもいいという話ではありません。大切なのは、平均の数字ではなく、自分が働くその職場がどうかです。
デイサービス自体が続かない仕事とは限らない
デイサービスは、本来、長く続けやすい魅力のある仕事だと思います。
夜勤がないため生活リズムを整えやすく、家庭や自分の時間とのバランスも取りやすい働き方です。もちろん職場環境によって違いはありますが、環境が合えば、長く働き続けている職員も多くいます。
だからこそ、「介護は離職率が高いからやめた方がいい」と単純に考える必要はありません。見るべきなのは、デイサービス全体ではなく、その職場の環境です。
合わない職場で無理に続ける必要はない
一方で、合わない職場で無理に続ける必要はありません。人間関係、休みの取りにくさ、教育体制の不足、会社の方針、給与面への不満などが重なると、続けること自体が苦しくなることもあります。
介護職の転職は、必ずしも悪いものではありません。自分に合う職場へ移ることで、同じデイサービスでも働きやすくなることはあります。
デイサービス自体が合わないのではなく、その職場が合っていないだけという場合もあります。そう感じたときは、無理に我慢し続けるのではなく、環境を見直すことも大切です。
長く働くためには入社前の職場選びが重要になる
これからデイサービスで働く人は、離職率だけで判断するのではなく、人間関係、休みやすさ、教育体制、給与、送迎の負担、レクリエーションの比率、運営方針などを確認することが大切です。
デイサービスの離職率は、数字だけ見れば高いわけではありません。しかし、職場による差は大きいです。長く働けるかどうかは、離職率ではなく、自分に合った職場を選べるかどうかに大きく左右されます。